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『OTAKUエリート』 [☆☆]

・新興国にいたってはアニメやコスプレを楽しむ余裕がある時点で、その国では経済的には中より上の人々である。

・アキバカルチャーのファンたちは、2020年前後から社会の第一線に立つ年齢になる。キャリアを積み、影響力をつけ、グローバルエリートとなる者も現れるだろう。超親日派「OTAKUエリート」の誕生だ。

・急進的な人たちは、一般人には通じない隠語を好んで使い、排他的な選民意識すら持っていた。そういった人たちは、自らを"leet(「エリート」の意味)"と呼んでいた。しかもこの呼び名は、仲間だけに通じるように"L337"と綴られた。

・動画や音楽は静止画や文章に比べて訴求力が強く、理解に必ずしも言語を必要としないことだ。このため、動画は特にネットミーム化しやすい。

・ここまでくるとOTAKUとは単なる個人の趣味ではなく、社会集団として定義できる。

・日本のオタク文化が世界中に広まったのは、インターネットの普及によるサイバーカルチャーの勃興に相乗りしたためだ。

・流行するミームは「転載を促す何か」を持っている。

・過激なものほど好んで盛り上げるのは、カウンターカルチャーの「お約束」である。

・4chanが特異なのは、匿名であることに加えて、ログが残らないことだ。4chanの一部の板では、スレッドの平均寿命が、なんと3分54秒しかない。

・基本的に、欧州ではリベラル派の主張する「多様性」が正義とされ、イスラム排斥のような多様性を損なう行為は「いけないこと」とされている。しかし、禁止されると逆にやりたくなるのがカウンターカルチャーに属する者たちの性である。

・ネット環境を有している者、探し方を知っている者、ネタの咀嚼の仕方を知る者だけが楽しめる「特別な趣味」だ。

・アキバカルチャーのファンたちは、「楽しい」「好き」「面白い」といった人間のごく根元的な感情で繋がれる。

・そもそも世界の市場での深夜アニメの主な顧客ターゲットは、15~25歳という一番購買力を持たない層である。ゆえにマネタイズが難しい。

・海外では深夜アニメの地上波テレビ放送はほとんど無いため、ネット配信が主流になっている。

・グッズについても、ファンたちは多くの場合、SNSなどを通じて仲間に見せ、話題を共有する目的で買っている。そのため海賊版の粗悪品を忌避する本物志向を持つ者が多い。

・英語が拙くても問題はない。南米勢も東欧・旧ソ連勢も、英語が拙いのはお互い様である。



OTAKUエリート 2020年にはアキバカルチャーが世界のビジネス常識になる (講談社+α新書)

OTAKUエリート 2020年にはアキバカルチャーが世界のビジネス常識になる (講談社+α新書)

  • 作者: 羽生 雄毅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/21
  • メディア: 新書






タグ:羽生雄毅
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