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『猟犬の旗』 [☆☆]

・人間は一つのことをやり続けるとバカになるもんだ。便利屋をやり続けると便利屋以上になれなくなる。

・非効率は日本のお家芸だ。

・世界はアメリカを中心に回っている。だから、世界を変えようとするなら、アメリカでやるしかない。アメリカがテロの標的になるのはその影響力の裏返しだ。

・トルコやフランスでもテロは起きている。世界を変えるためのテロではなく、できるからやったというタイプのテロだ。

・政府だって観光には力を入れているが、移民はさっぱりだ。つまり上から下まで外国人に観光して欲しいとは思っているが住人にはなって欲しくないときている。

・日本人は非効率なことを当然のように喜んでやる連中だが、それ故に意味のないことを嫌う風潮がある。逆に言えば意味さえあれば非効率でも、自殺でも、やる。

・何も起きなかった。今日も平穏だったというのは、何か起こそうとしていたやつがドブに落ちて死んだり、階段から転げ落ちて死んだり、痴漢で見つかったりする結果だ。

・車を出したところで段差で底打ちをして舌を噛みそうになった。文句を言われない車よりは、こういう車の方が好きだ。車に人が合わせるというのは、車好きなら当然の作法だ。

・安いのは買わないでいい。いい靴を買え。行きたいところに行くために。

・世論というのは、知りもしないせいぜい数日前の事件について頭を使わず王様気分で偉そうな感想を述べるものだ。

・裏で誰かが壮大な陰謀を描いている。素人はそう思うもんだ。実際はそんな例は、ない。現実は秩序だっていないし、ずさんで、幼稚だ。

・昔と比べて殺人はどんどん減っている。死体の処理がうまくなった、というのもある。

・犯罪者というのは全般として物事を都合良く解釈する癖がある。

・まあ、嘘が下手でも交渉事をやらないのなら特に問題はない。

・日本は恐ろしいほど膨大な暗黙のルールがあって、それに縛られている。それを不思議に思わないし、息苦しくも感じない。

・古い家はあまりない。日本は形を残すよりも作る技を残す方にこだわる。

・100年前の人々は植林しながら100年後に木で家を作るとでも本気で思っていたんだろうか。思っていたのだ、日本人は。

・ものを残すのではなく、作る技術を残す。それは新品だ。

・なぜ堕落するか、なぜ組織を裏切るか、なぜ殺すか、なぜ妬み、なぜ悲しむか。答えはだいたい、人間だからだ。人間が人間である限りそういうものはなくならない。

・俺たちの仕事は、現実的なレベルで人間の社会を維持し、破壊的な何かが起きないように物事を抑制することだ。

・沈む船でも船長になりたがるのが人間だよ。

・何か仕掛けるならデモの先頭が一番いい。真ん中も後も逃げやすい。頭を押さえられる場合が一番激しい。ついでにいうとマスコミに見せつけることもできるだろう。マスコミは先頭集団を撮影する傾向がある。

・ゼブラのスチールペンはこの業界で一番人を殺している実績がある。アメリカ海軍のSEALsでも正式な装備ではないながらも多用している。

・目を信用して使いすぎるのは人間の悪い癖だ。その点芭蕉はいい線行っている。古池や蛙飛び込む水の音。



猟犬の旗

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  • 作者: 芝村 裕吏
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 単行本



猟犬の旗 猟犬シリーズ (角川書店単行本)

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  • 発売日: 2017/07/28
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