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『戦争と革命の世界史』 [☆☆]

・ニュースを聞いて湧き起る感情は、自分では「自分の意志でそう感じている」と思っているかもしれませんが「そう感じるように仕向けられている」のかもしれません。

・大衆というものは「歴史に学ぶ」ということがありませんから、毎度毎度同じ手にひっかかります。

・「戦艦8隻を撃沈破」といっても、真珠湾は戦艦を沈めるには水深が浅すぎて、容易にサルベージでき、このうち6隻はすぐに戦線復帰してしまいました。

・子供だからこそ、自分のしでかしている罪の重さが理解できず、平然と大それた嘘がつけるのです。自分のついた嘘によって、大量の罪なき人が死んでいくことになるなど想像もできないからです。

・覚えておいてください。本物の悪党は善人ヅラしている、ということを。

・「武力が無制限に力を発揮する時代」は終わりを告げ、これからは「武力」より「世論」を制した者が勝つ時代がやってきた。

・艱難を共にすべく、富貴を共にすべからず。高杉晋作の言葉で、「人というものは、苦難においては団結し扶け合うこともできるが、困難を乗り越えて安定を得た途端、いがみ合いを始めるものだ」という意味です。

・勝てるはずがない日本が勝って、負けるはずがないロシアが負けた。このように、これまでの常識を打ち破る出来事が発生したときというのは、それは「偶然」ではなく、時代が大きくうねっている証拠です。

・貧弱な生産力を背景として槍と刀で原始的な戦をしていたころは、長く戦いたくても戦う経済力もなく、戦禍も大したものにならなかったため、こうした自滅型の民族性もそうした問題が表面化することはありませんでした。

・国際秩序がない。これは、現在の国際世界が「ボスのいない飢えた狼の群れが彷徨う世界」であることを示しています。

・現在のヨーロッパ人は、生産革命(狩猟→農耕)に馴染めず、牧畜→遊牧を経て、ふたたび牧畜→狩猟(獲得経済)へと戻っていった者たちの末裔です。

・彼らは、奴隷を獲得し、自分が遊んで暮らすためのシステム作りのためにはどれほどの苦労も努力も厭わず、ときに命すら賭けますが、「自ら汗して働く」という発想がないのです。

・熱が出るのはウィルスを熱で殺すために体が適応しているだけなのに、それを力ずくで下げてしまえば、病気はむしろ長引きますが、そういうことまでは気が回りません。

・何かというとすぐに外科手術、という医学が発達したのも、獣を解体することが生活の一部だった彼らにとって、腹を切り開くという行為に抵抗がなかったためです。

・弱者・敗者には奴隷か死の選択肢しかない、という歴史を歩み、そうした環境を生き残ってきた民族です。何千年経とうとも、民族の行動規範は変わるものではありません。

・興味深いのは、米ソ両雄ともに、ヨーロッパ文化圏の辺境(東端と西端)から生まれた大陸国家であり、革命によって生まれた人造国家(アメリカ独立革命・ロシア革命)であり、そしてともに「ヨーロッパの鬼子」ということです。

・テロは「戦争形態のひとつ」にすぎないのであって、「汚い」とか「卑怯」という批判が、たいへんピント外れなものだと言うことがわかります。戦争にきれいも汚いも、堂々も卑怯もないからです。

・近世に入った16世紀、ヨーロッパ圏で覇を唱えたのがスペインでした。そのスペインから独立したオランダが17世紀に覇を唱え、そのオランダ総督が王位を継いだイギリスが、18~19世紀に覇を唱えます。そして、イギリスから独立したアメリカ合衆国が20世紀に覇を唱えました。こうしてみると、不思議なほど、前覇者のお腹から生まれた「子」が次世代の覇者になっていることがわかります。つまり、21世紀に覇を唱えるものがあるとすれば、それは「アメリカの子供」というにふさわしい国かもしれません。



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