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『ビジネス名著大全』 [☆☆]

・当社の基本ルールはこうだ。もし友だちだったら料金を取るだろうか? もし鍵を車内に入れたまま友達に助けを求めたとして、友達が料金を要求するだろうか。ノー。だから我々もノーである。

・15000ドル(ラジオCMコスト)÷60ドル(出張修理コスト)=25 しかし、60秒のCMを1本流すだけで、25人の一生の顧客を得られないのは明らかだ。そんなCMを打つよりも、顧客の頼み事に可能な限り無料で力になる。

・シェアにこだわるのは、もっとビッグになりたい! ということに他ならない。結果として、売上は伸びるかもしれないが、それで利益が上がるわけではない。

・これまで業界標準とされてきたもののうち「取り除くべき要素」「減らすべき要素」「増やすべき要素」「付け加えるべき要素」について考える。

・「上質で手軽」は幻影、追い求めると痛手を負う。

・上質であるとは、突き詰めれば「愛される」ということ。ティファニーの宝飾、プラダのバッグ……。これらは皆、愛されはしても、まず必要とはされないものだろう。他方、手軽であるとは「必要とされる」と同義だ。ウォルマート、電子レンジなどはいずれも生活に欠かせないもので、多くの人が必要とする。しかし、たいていは愛情の対象ではない。

・スターバックスのようなブランドにとって、どこにでもある見慣れた存在になるのは命取りだ。米国人のほとんどは、もはやスターバックスにオーラや個性を感じていない。

・「マス・ラグジュアリー」は砂上の楼閣にすぎない。マスとは手軽であり、ラグジュアリーとは上質である。誰もが手にできるなら、それはもはやラグジュアリーではない。

・アカデミックな戦略論のほとんどは、過去の成功例を「後講釈で定石化する」ことで成り立っているため、将来の勝ちパターンがそこから自動的に導き出せるものではない。

・プラトンは、世の中の事象にはすべてに普遍性があるから、基本をなす普遍性を捉えなければならないと考えた。一方、アリストテレスは世の中には様々な事象があるから、その1つ1つを捉えていかねばならないと考えた。

・1つはプラトン流の普遍から個別具体の結論を得る演繹的な方法、もう1つはアリストテレス流の帰納的な方法。

・問題を話し合っただけで仕事をした気になる、これが知識を実践する際の大きな壁になっている。議論し、行動計画を練っただけで、実際に行動したと錯覚する組織のなんと多いことか。

・ラジアルタイヤが登場し、欧州で普及し始める。こうした状況に対し、米国のタイヤメーカーはどう反応したか? まず怯えている人間特有の兆候が出た――相手をバカにするのだ。「小さい車を転がすにはいいが、米国車には不向きだ」と。

・新しいパラダイムを発見するのが得意な国は米国である。VTR、パソコン、コピー機……。だが、パラダイムを開拓する――つまり、パラダイム・シフトを取り入れ、アイデアを商品化するのが最も得意な国は日本だ。

・人の発言と行動は一致しない。ゆえに問題を見つけるには、人類学者のように、人の行動を観察することが大切だ。

・考える習慣がついていないと、目の前に大きな壁が立ちふさがると、無意識のうちに諦める。

・「初めに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている」。つまり、人材を何より重視している。

・狐はたくさんのことを知っているが、針鼠はたった1つ、肝心要の点を知っている。針鼠型の人は複雑な世界を基本原理・概念によって単純化し、全ての行動を決める。

・今日、サービスは重要性を増しつつある。アップルのiPodやiPhoneは、同社やパートナーが提供するサービス(iTunes、アップルストアなど)がなければ、ほとんど価値がない。

・絶対に勝てる戦略はないが、これをやったらほぼ確実に失敗する、すなわち「踏んではいけない地雷」は存在する。そして、地雷を踏まないことが、少なくとも「成功の必要条件」となる。

・米国型は、アメリカンフットボールのように分業が徹底され、司令塔の指示の下、全体がシステマティックに動く。一方、日本型はプロセスを重視。ラグビーのように適宜、皆が離合集散して物事を進める。

・マネジメントとは本来、「クラフト(経験)」「アート(直観)」「サイエンス(分析)」の3つを適度にブレンドしたものである。

・マネジメントは、サイエンスよりアートの側面が大きく、さらに、それ以上に、クラフトの側面が大きい。ところが、実体験のない学生はクラフトを持っていない。アートについても、その価値がわからない。そうなると、残るはサイエンスだけだ。従来型のMBA教育は、サイエンスを教えることにほぼ終始している。

・組織の構成単位は「小さなチーム」であるべきだ。1つのチームは、ピザ2枚で足りるぐらいの規模にとどめなければならない。

・企業は競い合うことで一定方向へと向かい、製品はどれも似たようなものになる。

・なぜ、所有より利用なのか。それは、人々はモノそれ自体よりも、それによって満たされるニーズや経験を求めているからだ。人々はCDが欲しいのではなく音楽を聴きたいのである。

・サウスウエスト航空が当初ターゲットとしたのは飛行機に乗らない人、つまりそれまで車やバスを利用していた人だった。だが同時に、大手航空会社のローエンドからも顧客を奪い、急成長を遂げていった。

・米国の経済発展の過程で、オートバイが一般的な交通手段となった時期はない。つまり、途上国は、富裕国と同じ道筋をたどるわけではないのだ。



ビジネス名著大全

ビジネス名著大全

  • 作者: 橋本 忠明
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2017/11/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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