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『人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?』 [☆☆]

・脳に潜在する論理システムは、すべてのフィルムや音声をまとめて意味のあるストーリーを作る映画の編集技師のように、思考や知覚を集めて物語を編む。その物語が人勢経験や自意識となるのだ。

・夢と現実を区別する決定的要因は、前頭前野の不活性化だ。夢の回路は、前頭葉による現実性のチェックから解放される。

・脳は目や耳から受け取った道路状況に関する知覚情報を処理し、ハンドルやアクセル、ブレーキを操作する。意識は他のことを考えているため、運転に必要な決断には関与しない。脳が盲視を利用して運転するのだ。

・会社についたあと運転したことを覚えていないのは、習慣で運転していたためだ。習慣は手続き記憶を保存・検索することによってのみ生じる。

・運転したという記憶がないのは、習慣のシステムを利用して何かをするときには、その行動の記憶がエピソード記憶として海馬に記録されることはないからだ。

・習慣はエピソード記憶として記録できないだけでなく、エピソード記憶から情報を引き出すこともできない。手続き記憶に支配されているため、「ぼんやり」してしまうせいだ。

・ミラーニューロンが他者の経験をシミュレーションするように、ソマティック・マーカーは自身の過去の経験をシミュレーションする。

・脳はしばしば、個人の歴史のスナップショットを自己保身的な方法で整理する。無意識の脳がニュースチャンネルだとしたら、偏りのある報道になるだろう。

・マジシャンの手品を見ているとき、無意識が最初に「アシスタントを半分に切った!」と反応する。それが最も単純で簡単な説明だからだ。そのあと、慎重な意識的分析がはじまり、「きっとアシスタントが二人いて、それぞれの箱に一人ずつ入っているのだ」と他の説明を考え出す。

・私たちは通常、「違う」と自分で自分に言い聞かせないかぎり、脳の話を信じる。

・自己と非自己の識別に広範な問題を抱えているため、統合失調者は、普通の人にはできないことができる。そう、自分自身をくすぐることができるのだ。

・催眠術をかけられると、人は特定の一連の思考に集中するあまり、外部からの暗示を受けやすくなるのだ。催眠は無意識の状態ではなく、自身の想像に対して極度に集中した状態である。

・催眠術にかけられた人は、催眠術師によって念入りに作り上げられた幻に深く集中するあまり、それを信じるようになる。さらに、その幻に執着して、自身の行動を分析したり、フィルターにかけたりするのを忘れてしまう。

・自分の名前が呼ばれるのを聞いた時にも、瞬時に注意が移動する。名前が呼ばれるという刺激を長年にわたって処理してきたため、脳はそれを重要な信号ととらえ、名前を呼んだ人を突き止めようとして、注意がすぐさま移されるのだ。

・催眠術によって、前帯状皮質の無意識の矛盾の監視と、前頭葉に意識的分析が切り離される。

・サブリミナル・メッセージの神経学的な影響は、偏桃体単独の活性化にかぎられ、それが情動状態をわずかに変える。意識にアクセルする能力がないため、サブリミナル・メッセージの力はかぎられている。

・殺人犯の言葉に潜むのは、犯した罪に対する言い訳である。犯罪行為は自身が引き起こしたのではなく、状況の産物だと言外ににおわせているのだ。

・脳は毎回、自我を守るという目的をもって補足する。無意識のシステムは個人の物語を守り、アイデンティティーの安定性を維持することに完全に集中しているのだ。

・離人症性障害は、自己や周囲から切り離されていて、まるで世界を経験するのではなく、見ているように感じる。

・習慣のシステムは手続き記憶を利用するため、運転の仕方を問題なく思い出せる。しかし、習慣のシステムはエピソード記憶にはアクセスできないため、放心しているドライバーは、仕事から帰る途中に牛乳を買わなければならないことを忘れてしまう。

・目の前に額縁と釘があると、頼まれてもいないのに壁に釘を打ち込んで額縁をかけずにはいられない人がいる。意識的なシステムが働かないと、無意識のシステムによって習慣的な行動を取る。つまり、釘と額縁を見ると、それらを使って普通なされることを無意識のうちに行なってしまうのだ。



人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?

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  • 作者: エリエザー・J・スタンバーグ
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2017/06/29
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