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『観察の練習』 [☆☆]

・観察とは、日常にある違和感に、気づくこと。

・私たちは台所用洗剤に対して、実際の効能としての洗浄力よりも、洗っているときの満足感に直結する泡立ちの良さの方を、重要視しているのかもしれない。

・私たちが当たり前だと思っていることや基準にしていることも、偶然自分が最初に知ったから、それを当たり前だと見なしているだけに過ぎなくて、もしかしたらその当たり前は例外なのかもしれない。

・インク量が多いことを示すために「〇〇km書けます!」と距離の単位が使われていた。確かに、インクの量をmlのような単位で言われても、正確ではあるのだがよくわからない。

・ある物事を示すために、基準や使っている単位を敢えて変えてみることで、急に分かりやすくなることがある。

・SNSでたまに「検索避け」と呼ばれる表記を見かける。例えば誰かが「菅俊一」についての話題を出す際に、当人が自分の名前をキーワード検索しても見つけられないようにするために、「菅/俊/一」と、文字の間に「/(スラッシュ)」を入れるという表記方法だ。

・間違いというのは、人間の行為や選択した手法が色濃く反映されている。だから、逆にエラーを丁寧に観察することで、どのような考えや背景によってこの現象が成立しているのかを推測することができる。

・「v0_0vve_ev@~」といったようなメールアドレスを使っている人がいた。一度このメールアドレスを「二つの顔がVサインをしている」というように解釈すると、急に無意味な文字列ではなく「顔」にしか見えなくなってしまう。

・漢字をひらがなに「ひらく」ことによって、誰もが読めるように情報をコントロールしたのだと思う。しかし、世の中を見渡してみると、「おすい」という音を聞く機会はほとんどなく、実際には「汚水」と漢字で書かれた文字を目にする方が日常的だ。

・今でも覚えているのが「今聞こえている音をすべて書き出してみなさい」という課題だ。想像以上にさまざまな音が自分の周囲で鳴っていることに気づいてびっくりしたことを覚えている。

・こういった面白いものは突然目の前に現れたのではなく、私が気づく前からもともとこの世界に存在していたのだ。観察をするたびに、自分はこんなに面白いものをこれまでずっと見過ごしてきたのかと反省を繰り返している。

・さあ観察を練習しよう。そして世界に溢れている面白さに気づいていこう。それさえできれば。きっと前よりも少しだけ、生きることが楽しくなるはずだ。



観察の練習

観察の練習

  • 作者: 菅 俊一
  • 出版社/メーカー: NUMABOOKS
  • 発売日: 2017/12/05
  • メディア: 単行本



タグ:菅俊一
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