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『政治の終焉』 [☆☆]

・民主党の改革とはしょせん「悪者探し」だった。隠れている悪者を暴き出せば、新自由主義や福祉主義が実現すると思い込んでいました。だから自分たちがリーダーになっても、「自分は悪くない、誰かが悪い」と言い続けてきてしまった。

・リーダーというのは、たとえ自分が悪者になっても責任を取る立場です。

・鳩山由紀夫さんや菅直人さんに象徴されるように、リーダーになっても悪者探しをしてしまうと、責任を取ったり、状況判断したりできなくなる。

・公共事業は何もかもダメと言ったら復興も防災もできません。

・本当に強い国家というのなら、それは人口の増減に関係なく強いものでなければならないと思うんですよ。人口増を前提にして強い国家を作ろうとしたら、増えない場合には途端に弱くなってしまうわけですからね。

・経済ナンバースリーの国が輸入以上に輸出したら、いったい誰が買うのかという問題ですよね。ナンバーワンのアメリカがもう買えないならば、世界中で日本の輸出超過を歓迎してくれる国は存在しない。

・本当の意味での自信がないから、「今しかない」と思い込む。そして「今の利益」を求めるわけです。

・決められないというのは、性格的に決められないというのと同時に、発想としてその先に行くつもりがないということです。

・90年代、2000年代を通じて日本が沈んでいったときに、「日本は、本当は強いはずなのに、誰かが悪からひどいことになっている」という思考回路でしか考えなかったのです。その「悪者」が、政治になったり経済構造になったり、そして最後は民主党の言うように官僚になったりしてきたわけです。

・修繕が必要な道路や橋やトンネルにまで手が回らず、どんどん老朽化していきます。この国では今後、物理的にいろんなものが壊れていく。それを前提にしたコミュニティモデルを構築しないとおそらくダメだろう。

・東京一極状態になり、みな東京を追いかけるような形になってしまいました。吉本興業まで東京に出てきてしまいましたし、地方都市は疑似東京化しています。

・いまや核家族どころか単身世帯化が進行しています。その現実に目をそむけて、人口増に基づく成長に依存しようとするのは現実主義を真骨頂とする保守の精神から最も遠い態度です。

・リーマン・ショック以降、アメリカ一国が世界中の国から過剰な輸出品を買い続ける「グローバル・インバランス」はもはや維持不能になり、アメリカにのみ頼るやり方ではやっていけなくなった。



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