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『世界の軍事情勢と日本の危機』 [☆☆]

・「アラブの春」以前のシリアでは、アサド独裁政権のもと自由はなかったが一応の平和はあった。

・危機管理の基本的な心得として、しばしば言われるのが「考えられないことを考えよ(シンク・アンシンカブル)」「そんなことは決して起きない、とは決して言うな(ネバー・セイ・ネバー)」といった警句である。

・中国では、日本や欧州の企業の協力によって高速鉄道網が整備された。これにより最大の恩恵を受けたのは、おそらくは軍だろう。それ以前の中国は、内乱防止などのために各地に軍部隊を多数張り付けていたが、高速鉄道が整備されたおかげで、有事には迅速に兵力を国内の必要な場所に展開できるようになった。このため、陸軍の圧縮が可能になり、浮いた経費で海空軍の近代化を進めた。

・一般に戦略とは、実現可能な「目標」、その実現に必要な「手段」、その手段をいかに使うかの「戦術」の3つからなる。

・一般に軍事的脅威は、兵力や装備など「能力」と、攻撃しようとする「意図の大きさ」の積数で表される。

・一部のNGOがロボット兵器の規制に熱心なことをめぐっては「対人地雷やクラスター爆弾に続く新たな規制テーマに据えて運動をすることで、世間の注目を集め、寄付金を募りたいという思惑があるからだ」との見方を打ち明ける関係者もいる。

・政府機能が維持できなくなり、「この国にはもはや政府が存在しない」とみなされた瞬間が、国家の死、消滅を意味する。

・「国民」って何ですか。そんなものは存在しないんですよ。あるのはまとまりのない群衆だけですよ。

・デモ参加者の顔写真を撮影してデータベースに長期保存し、場合によっては氏名や住所を特定することまでする。参加者は、広義の「スパイ容疑者」として長く監視対象となるわけである。

・安全保障で大事なのは、自国を守るためにさまざまな手段、カードを予め持っておくことだ。

・当時の英国ではロンドンの地下鉄のホームなども避難場所として使われた。戦時中の東京では、空襲があったにもかかわらず、地下鉄は避難場所としては利用されなかった。もったいないことをしたものである。

・自分は何もしないのに、安全という成果だけは享受する層を完全に一掃することはおそらく無理だと思われる。


世界の軍事情勢と日本の危機 日経プレミアシリーズ

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  • 作者: 高坂 哲郎
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世界の軍事情勢と日本の危機

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