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『つながらない生活 「ネット世間」との距離のとり方』 [☆☆]

・テクノロジーの常として、欠点もあるが、私たちがあくせく使わないかぎり、ツールの方で私たちに多忙を強いることはできないはずだ。

・もはや連絡を「取り合う」のではなく、「絶やさずにいる」ことが目的となっている。

・やるべきことが山のようにある状態は鍛錬になる。

・多くの人観察すると、世の中の嗜好がどちらへ向っているとか、その時々で誰が何を買っているかは見えてくる。ただし、これは風向きを知るための抜け目なさであって、英知とはまったく異なる。

・今私たちが鎬を削るのは月面にいかに早く到達するかではなく、1秒あたりのデータ量をどれだけ増やすかである。

・心の平穏や満足を得るには、「他人との間にはそもそも距離がある」という事実を受け入れなくてはならない。幸せとは、独りの状態を楽しむ術を知っていることなのだと。

・「孤立」は一人でいることの苦痛を、「孤独」はその歓喜を表わす。

・広告では、ありとあらゆる商品が自己表現や解放の手段として謳われているが、現実には、自動車もコカ・コーラも巷に溢れている。「反逆者となって、みんなと同じブランドの靴を履こう」というわけだ。

・「注意力を維持し、自分のテーマに何時間もかかりきりになる」天才と、あれこれと注意を分散させる「凡人」。

・ヨガなどの瞑想の人気が沸騰しているのも、束の間とはいえデジタル世界の慌しさを忘れるのに役立つからだ。

・酒類業界はアルコール依存症にはっきり「ノー」を突きつけ、公共広告でもそれを明言しているが、その一方では莫大な広告費を投じて私たちに飲酒を勧める。

・貧しい人とは、物質的に恵まれない人ではなく、物質的な豊かさを渇望する人を指す。

・とりわけ教会は、読書を通して人々が異端思想と出会いかねないという理由から、本を脅威と見なしていた。

・烏合の衆に知恵をつけさせる理由はないだろう。

・情報に接するのとそれを吸収するのとは同じではない。大勢を対象とした朗読や読書会が主流の地位から滑り落ちたのは、最適な読書法ではなかったからだ。

・当時のイギリス法は、重罪で告発されたものの扱いを、文字が読めるかどうかで区別していた。文字の読める者が死刑のない教会裁判所へ回される例もあった。他方、文盲は通常の裁判所へ送られ、そこでは死刑が珍しくなかった。

・「文盲の暴徒は印刷機を壊したいと思っているだろう」と想像するのも、理解できるというものだ。印刷は権力の象徴であり、文盲の人々はそれを憎む理由があった。

・印刷の出現は、書き言葉の衰退を告げるどころか、書こうという意欲に火をつけた。この結果、鉛筆から万年筆まで、書くための大切なテクノロジーの数々が、印刷機の発明後に登場した。印刷に刺激されて多くの人が書き言葉に関心を抱いた。

・自宅を構える際はたいてい、物理的なスペースしか考えに入れない。どう時間を過ごすかという視点がほとんど抜け落ちてしまうのだ。



つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方

つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方

  • 作者: ウィリアム・パワーズ
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2012/01/27
  • メディア: 単行本



つながらない生活 「ネット世間」との距離のとり方

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  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2012/02/02
  • メディア: Kindle版



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