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『森語りの日々』 [☆☆]

・量というのは、本来客観的指標だからです。これに対して、質は主観的に判断されることが多い。

・相場より高い値がついていたら、そのジャンルの専門ではない、ということがわかります。目利きができて高くつけることはなく、目利きができないから高めにするのです。

・アスリートや芸能人は語ることも仕事ですが、非難する人はそれで稼げるわけでもなく、ただのぼやきでしかありません。その差が万時すべてです。

・凹レンズのメガネをかけると、目が小さくなる。このため、メガネを外したとたんに美人になったりするシチュエーションになるわけです。

・シリーズものが、だんだん面白くなるのも、読み手にとってキャラクタが知り合い以上の存在になるからです。

・意見や考え方に対しても、語った人の執着してしまうのが、ストーリィを求めるタイプの人たちの傾向であって、あるときは意見が違うだけで人を非難し、人格否定までしてしまう。

・少し金額の張る買い物をになると、「ここぞというときには、出し惜しみしない方が良い」とばかりに、あっさり大金を出費してしまう傾向があります。日頃の細かい節約は、それで一気に消し飛んでしまい、むしろトータルでは赤字になる。

・「失敗から学ぶ」とは、「自分が責任を問われない方策を学ぶ」という意味なのです。

・しかし、対数的な発展が続くという見方もまた、あきらかに線形的です。いつまでも続くはずはありません。

・犬の日常は、できるだけ不規則にした方が良い。つまり、決まった時間に散歩や食事をしない。決めると、その時間に要求するようになって、主従関係がわかりにくくなるためだそうです。

・正義の味方は、みんなだいたい暴力で問題を解決しますね。

・今の子供たちの多くは、考えないで「探そう」としますね。

・本を読む価値とは、未知を見つけることであり、自分の不知をしること。

・平和は、勝ち取るものではなく、譲り合う結果生まれるものであり、相手を尊重する精神が基本ではないのかな。

・「平和を勝ち取る」というと、誰かから奪い取ることになる?

・デザインとは、条件を数値化し、過去のデータと照らし合わせて、未来への対処をする行為であり、多くの場合、生産されるものの未来のあり方を予測することとほぼ等しい。

・建築家はデザイナです。機能を作り出すことをデザインという。

・災害や事件で「解決」と呼ばれているものの多くは、単なる「対処」でしかありません。

・昔の道路や鉄道は、トンネルを作るよりも、土地を買う方が安かったけれど、今はトンネルを掘った方が安い、という判断で、潜る経路が増えていますね。

・3次元の立方体を2次元に投影した図が、このような菱形の集合体になるのですから、次元を1つ上げて展開すると、4次元立方体を3次元に投影した形は、いずれの面も菱形の平行六面体が集合した立体になります。

・写真を撮るときには、写真の手前にある撮りたい対象に目が行っているから、バックに何が写るかまで目が行きません。写真に慣れた人は、必ずフレームに入るものすべてを見ますが、普通の人は、あとで写真になったときに、はじめて、こんなものがあったんだ、と気づきます。

・一番好条件で一瞬発揮できるものではなく、最悪条件で長く維持できるものが、「性能」という指標です。

・熱が出るのも、音が出るのも、それだけ無駄がある。

・今は、部屋にいろいろ置かなくても全部デジタルですから、これが可能です。今後は、最低限の存在に必要なリアルだけが残る、いわゆる断捨離状態になっていきます。

・もし刑務所でスマホが使えたら、現代人は特に支障を感じない生活を既にしています、逆にいうと、未来の刑務所とは、ただネットへのアクセスができない環境であり、パスワードを剥奪するだけで良い、ということになるかも。

・ストーリィを決めてから、登場人物を造形すると、その物語のためにいるような、都合の良い人間しか出ない、コスプレをした人たちのお芝居になってしまいます。

・万物は劣化する。原子は劣化しないのに。原子も素粒子も、錆びたり、腐ったりしないのです。錆びる、腐るというのは、化学反応であって、その素となる原子の組み合わせや配置が変わっているだけなのです。

・多くの人は、疑問形で出題されると、その問題は正しいと受け止めてしまう習性をもっています。

・転がり抵抗は、1000分の1以下ですから、100tの飛行機も、100kgの力で引けます。



森語りの日々

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  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/08/08
  • メディア: 単行本



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