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『金融ダークサイド』 [☆☆]

・アメリカの二院制は、いわば分業制で、大きく分ければ上院が外交や安全保障を、下院が内政という役割である。

・モーツァルトのオペラ「魔笛」の滑稽なパパゲーノ同様、口に鍵しておけばよいものを、自ら言葉で説明しようとした。これは、ゲームの中で最もやってはいけない悪手だ。検察側はその論拠を突き崩すための証拠を探すことになるのだから。保釈中に自分のことを話すというのは、愚の骨頂だった。

・無職であるということは無収入であることを意味しない。

・豊かさと、疑惑の視線の及ばない静かな暮らしの両立が黒い経済人の求めるライフスタイルだ。

・資産は保管しておくだけでは、ただの置物に過ぎない。使えるようになって初めて価値を持つ。

・歴史上、資金洗浄を初めて行ったとされているのは、アメリカのマフィア組織「シカゴ・アウトフィット」のボス、アル・カポネとされている。

・少額の匿名の現金が大量に集まるコインランドリーをいくつも所有し、その売り上げの中に黒い金を潜り込ませる手口だ。

・資金洗浄には「washing」(洗浄)が使われてもおかしくないのだが、カポネの「コインランドリー」が元になって、「ロンダリング」(laundering=洗濯する)という言葉が当てられたとされている。

・しかしその後もビットコインは値上がりを続け、17年12月8日、1ビットコインは240万円となる。はたして私にとって正解は240万円を待つことだったのだろうか? 答えは「ノー」だ。150万~160万円で売ることが「投資」、240万円で売ることは「投機」であり「ギャンブル」だからである。

・株、土地に限らずあらゆるバブルの最終局面には共通の特徴がある。驚くべき速度で売買される合計金額が上がっていくのだ。その理由は、それまで見ていただけの一般投資家が参加してくるという単純な理由である。敏感な人はいち早くそこから抜け出したが、それを続伸のサインと見た人はバブルの崩壊とともに沈んでいった。

・「資金調達」「インサイダー」「資金移転」と、黒い経済界にとって「走・攻・守」揃った名プレーヤーの仮想通貨は、当然のことながら国際社会で規制を求められた。

・誤解してはならないのは「黒いファイナンス」を「悪」と決めつけることだ。「白いファイナンス」では得ることのできない大きな利益を「黒いファイナンス」が生み出すということは、「限りなく黒に近い白」の領域こそ合法的に収益を上げる限界点ということだ。

・限界に近い「グレーゾーン」での収益確保こそが、銀行の本来の業務だと私は考えている。

・リスクは回避するものと考えているのが日本の銀行であるとすれば、リスクはギリギリのところで管理するというのが海外の金融機関の考え方だ。

・国際化とは国から出ていくことや、国を海外の様式に変更することではない。海外で獲得したものを、自国に持って帰って初めて本当の意味での国際化が成立する。

・ビジネスは他人資本で行うべきなのだ。失敗したら、次の他人資本を探せばいいだけの話だ。その繰り返しの中に落ちている成功を拾うことにこそ、ビジネスの面白さとうまみが凝縮されると言えるだろう。

・日本には「自分のお金でこんないいものを作りました」という価値観が蔓延しているが、海外の場合は、「他人をお金を集めていいものを作りました」という価値観が基準だ。

・ベトナム戦争、中越戦争など度重なる経験から、ベトナムは知られざる医療大国だ。



金融ダークサイド 元経済ヤクザが明かす「マネーと暴力」の新世界

金融ダークサイド 元経済ヤクザが明かす「マネーと暴力」の新世界

  • 作者: 猫組長 (菅原潮)
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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