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『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16』 [☆☆]

・おかしな間抜けにからまれる。そいつはセンスのいいやつの宿命だ。

・普段は法律の外側で生きていて、困ったときだけ法にすがるなんて、おれには考えられない。そんな根性なしの半グレみたいなことできるか。

・21世紀の犯罪は、マンガの悪役みたいに見るからに予想通りのやつが悪役だよな。よくできた本格推理の短篇くらい意外な犯人をおれたちは期待しているのに、まず間違いなく裏切られるのだ。

・あおり運転の容疑者を見るといい。ああまた四十代の無職か。どうりで一本ネジの抜けた顔をしてる。ネットやテレビで顔写真を見かけては、退屈な納得が繰り返される。

・友人同士というものは、ときどき会って情報をアップデートしなければいけない。

・おれたちは貧しい街で、自分たちの貧しさを卑下しながら、自分より少しだけ貧しく見える人間や仕事をバカにして生きているのだ。自分の方がまだましだと、安堵しながらね。

・心を奪えば、金を奪うのも簡単だ。

・紙の本を読まないと馬鹿になるぞ。将来、自分の子供に馬鹿にされるの嫌だろ。

・芝居だとわかっていても目の前で激しい暴力を見せつけられると、人の思考は停止してしまうものだ。

・関係のないおれたちがあのいじめ抜かれた子供たちのためにできることは、胸を痛めて祈ることくらいしかないのだ。

・ちなみに歴史家によると剣闘士競技は約700年続き、概算で350万人が死んだという。

・どんなに厳しいセキュリティがかかっていても、そいつを運営するのは人間だ。必ずどこかに穴ができるし、チェックのミスも犯す。

・単純な英語の文章でいい。ただし、なるべく長くな。そっちの方がパスワードクラッカーなんかにも強いんだ。



獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI

獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI

  • 作者: 衣良, 石田
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/09/03
  • メディア: 単行本



獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16 (文春e-book)

獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16 (文春e-book)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/09/03
  • メディア: Kindle版



タグ:石田衣良
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