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『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』 [☆☆]

・おそらくすでに約30年前に起こっていたんだ。だから僕らはシンギュラリティ後の世界を生きている。テクノロジーの方が、自身を維持するために、人間を利用しているのさ。

・5人のドイツ人が19分以上話をしていると。誰かがヒトラーの名前を出すという結果になった。

・ボタンを押して誰かを殺すことは簡単で、ナイフを使って殺すのは難しい。

・発展途上国が資本主義的になろうとして、意外にも成功しているということはないように思う。もし成功しているとしたら、それは発展途上国なのではなく、優れた工業国だということでしかない。

・実存主義者、構造主義者とポスト構造主義者は、基本的には何らかのことを正しく理解していたのだとわかる。つまり、それは社会構造というのは夢のようなもので、そこには、より深い現実などないということだ。

・正義などなく、あるのは征服だけである。

・危機の時代に何が起こるかと言うと、新しい観念が必要になってくる。我々は、今何が起こっているのかを理解する必要が大いにある。

・ドイツ人と「友だち」になると絶対に離れることはありません。一度「友だち」になると……離婚する方が友だちと縁を切るよりよっぽど簡単です。

・日本人は同質性が高いのです。そのため、表現に細心の注意を払わなくても、すぐにアイデアを共有することができます。そこが日本のアドバンテージだと思います。

・日本では、文字、特に漢字は人の知性レベルを反映していると言えるでしょう。手書きの文字を見れば、知性のレベルを推測することができます。

・今日、フェイスブックなどのソーシャルメディアを利用する時、もう誰も他人のことを見ていないのではないでしょうか。自分自身による自分のバージョンをブロードキャストして、それを情報の海に流し込むだけ。

・ただ鏡を見ているだけで、他人のことはもう見ていないような。

・人間は、技術を使う動物である──動物プラス技術、それが人間だということです。人間は技術を使わなければサルになってしまいます。

・過去において人間は二つの方法によって進化してきたのです。一つは遺伝子。もう一つは技術です。技術を発展させることによって、私たちの能力もどんどん伸びてきたわけです。

・人工器官や人工臓器によって腕や足、内臓を代替できるようになったように。その意味で、人間はロボットに近づいてきているのです。

・人間は一生懸命動物にならないようにしている動物だ。



マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する (NHK出版新書 569)

マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する (NHK出版新書 569)

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 新書



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