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『ビギナーズ・クラシックス 徒然草』 [☆☆]

・兼好は、人間の力ではどうにもならないさまを「無常」と呼びました。人間の命もこの世の移り変わりも、なにもかもが無常といってよいでしょう。

・生身の人間とつきあうのは、さまざまな制約がある。けれども、思い出の人とは、いつでもどこでも、いつまでもつきあえる。

・世の中に広く伝わる話は、事実そのままだと受けないからか、大部分は「うそ」で固めてある。

・時間をもてあます人の気が知れない。何の用事もなくて、独りでいるのが、人間にとっては最高なのだ。

・何をまねるかが問題なのだ。人格は、まねることによって、向上するからだ。

・偽善には否定的な臭いがあるが、うそでも善事を積み重ねれば、人格者へと向上していく。

・偽悪の場合も同じで、冷やかし半分で悪友とつきあっているうちに、犯罪者の仲間入りをしてしまう。

・度を越した熱意が恐いのだ。それはもはや熱意ではなくて、自己の心を曇らせる執念に変質しているからだ。

・勝とうと思って打ってはいけない。負けないようにと打つことだ。どの手でいったら、早く負けてしまうかを考えて、その手は避けて、たとえ一目でも遅く負けるような手を選ぶことがたいせつだ。

・生き物の飼育は、人間の社会生活の必要最小限度において行われるべきで、愛玩用は無用な殺生につながると否定した。これこそ動物愛護の基本精神ではなかろうか。

・こういう連中は、野山に遊ぶと湧いている清水に手足を突っ込み、雪が降ると地面に降りて足跡をつけたがる。どんなものでも、そのものに触れずにあるがままに見て楽しむことができない。

・酒は百薬の長というけれど、酒が原因の病気はいっぱいある。

・金持ちになるには、金を貯めなければならない。金を貯めるには、金を使わないことだ。一方、貧乏人はもともと金がないので、金を使えない。結果だけを見ると、金持ちも貧乏人も、金を使わない点で同じだという。



新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2015/03/25
  • メディア: 文庫



タグ:吉田兼好
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