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『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』 [☆☆]

・リベラルな社会では、「わたしが自由に生きるのなら、あなたにも自由に生きる権利がある」とされる。

・最近では、ロングテールは「上級国民」、ショートヘッドは「下級国民」と呼ばれるようになった。

・ベルカーブの世界とは異なって、ロングテールの世界では、「ふつう」に生きていてはショートヘッドの「下級国民」になるだけだ。そこから抜け出すには、「ふつう」ではないことをして、ロングテール(上級国民)を目指すしかない。

・脳は、フレームの中のものは重要だと感じ、フレームの外側はどうでもいいものとして無視する。だとしたら、女性の関心を惹くためにはまず、自分を相手のフレームに入れなければならない。

・女とは、男と同じくらいワルなのだ。単に隠すのがうまいだけだ。

・簡単にいうならば、金融市場から「人間の愚かさ」を抽出し、それを富に変えることだった。

・依存症者は、マシン・ギャンブリングだけではなく、依存症の治療にも依存している。

・警告表示を見ると、喫煙者の「意識」はタバコをやめようと思うが、無意識ではタバコを吸いたいという衝動が増している。タバコと病気のつながりが喫煙者を不安にし、その不安に対処するために脳がニコチンを欲したのだ。

・「活字中毒」という言葉があるが、雑誌や本をいくら読んでも依存症にはならないし、映画やテレビ番組をいくら見ても禁断症状を起こすようなことはない。これらの娯楽は脳の報酬系を刺激するが、依存症を引き起こすような強度をもたないのだ。

・若者たちがゲームに夢中になるのは、現実では見つけられない人生の価値を提供しているからだという。

・社会運動では、人種差別や性差別の撤廃を求めるなどなんらかの「正義」を掲げて「敵」を闘う手法がとられる。だがこれは、その主張がどれほど正しくても、「敵」と名指しされた側が反発していたずらに社会を分断することにしかならない。

・お金があふれた世界では、お金による差別化はますます困難になっていく。ブランドによる「顕示的消費」も、かつてのような効果はなくなった。若者のファッションがどんどん地味になっているのは日本だけの現象ではない。



裏道を行け ディストピア世界をHACKする (講談社現代新書)

裏道を行け ディストピア世界をHACKする (講談社現代新書)

  • 作者: 橘玲
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/12/15
  • メディア: Kindle版



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