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『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』 [☆☆]

・「文句は言っていい、しかし言った人が直す」は僕らが保育園や幼稚園で学んだ、この社会の掟だったはずだ。

・リニアな思考では世界を読み違えるのだ。すべての変化は桁で考える必要がある。横軸を普通に時間で置くとしても、差分を読み取る縦軸はログスケール(片対数目盛り)にして考えないといけないということだ。指数関数的な思考が不可欠な時代に僕らは突入している。

・仮に生み出せなくとも、少なくとも識別できる、そんな「知覚」の能力が深く広い人が多くなることで、街も、空間も質が上がる。

・情報科学は数理科学であり、数学の言葉で書かれている。学ぼうと思うのであれば、大学1~2年レベルの統計数理、線形代数、微積分の基礎要素が必要だ。

・自分はSFが好きでハリウッド映画もよく観るが、正直なところ、アイデアそのもので度肝を抜かれることは少ない。ほとんどのアイデアは子供の頃、マンガやアニメ、あるいはその妄想力の上に立つ、数多くの本などを通じてすでに妄想し、頭の中に描いてきたからだ。

・さまざまな概念の受け皿である日本語はそもそも、漢字、仮名、カタカナ、アルファベット、アラビア数字、サンスクリット(梵字)……とどんな外来概念でも飲み込める言語体系と文化の柔軟性が際立っている。

・現在、この日本の教育システムが生み出す最高の人材は、テレビ番組でクイズ王になる、教育評論家や予備校講師になるぐらいしかないという残念なことになってしまう。

・人は大きく5つに分かれる。「起爆人種」、この起爆人種に感動し、インスピレーションを受け、一緒にこの動きに加わる「参画人種」。この動きを好ましく思っており、応援する気持ちはあるがどちらかと言えば見る側の「応援人種」。このような新しい動きには関心がない「無関心人種」。このような動きそのものが好ましくないと思っている「批判人種」だ。

・文章を書くことなしに思索を進めることはできません。書くから自分にもわかる。

・AIの発達で記憶や知的訓練はいらなくなるかと言えば、答えは「NO」だ。たとえばバレーボールのルールを知らないまま、試合の一部分を観戦したところで、どういう局面を迎えているのかを把握することはできない。

・日本では、教師層も含めてほぼすべての人が、体系的かつ徹底的に論理的な思考や表現をする訓練を受けたことがないのだ。結果、明晰で誰にでもわかる文章が書けることが教育者層の証明となっている米国、欧州と異なり、この国では難解で、相当頭脳内で補完を行わないと理解できない文章を書く能力が、あたかも高い教育を受けた人たちの特徴のように思われ、負の再生産が起きている。

・ガリレオの時代から今に至るまで、自然からパターンを見出すことがサイエンスの根源であるこには変わらない。しかし、このことがこの国では教育層の多くにすら理解されていない。彼らの多くが、サイエンスを学ぶとは自然科学で発見されたルールと事実を覚えて、それを物理や化学の問題に適用することだ、と勘違いしている。

・老人を生かさんがために、若者を犠牲にするような国に未来はない。

・一度取りやめ寸前にまでなった利根川支流の八ッ場ダムがなければ、2019年台風19号の被害は相当のものになったことは疑いようがない。全体を読めないまま項目削除をするのではなく、本物の無駄取り、効率化を行う。

・「バリアフリーな道が認知症を生み出す」という話を聞いたことがある。多くの人にはかなり直感に反した話だと思うが、実際、バリアフリーであるということは、脳への負荷が減るということでもある。

・そもそも真似をしようとする段階で間違っている。誰も自分と異なる存在にはなれないからだ。



シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング)

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  • 作者: 安宅和人
  • 出版社/メーカー: ニューズピックス
  • 発売日: 2020/02/18
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