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『NOでは足りない トランプ・ショックに対処する方法』 [☆☆]

・変化とは、話題を変えることだ。

・いい人になるな、鬼になれ。そうすれば経済に貢献できるし、何よりも自分自身のためになるのだ。

・ニュース番組で「重要な論点について報じた時間」は、合計でわずか32分にすぎなかった。残りの時間は、誰が誰について何を言ったか、どこのどの世論調査では誰がリードしているか、といったことに終始し、まさにリアリティ番組と化していたのだ。何百万人もの視聴者は、これを大いに楽しんだ。

・ある商品を買うことで、ある特定の集団の一員になったり、何か壮大な計画や革命に参加したつもりになれば、ほんの一瞬はいい気分になれる。

・私は時に、新自由主義を「マクガバメント」(マクドナルドがどこへ行っても同じことから、マクとガバメント(政府)をくっつけたもの)と呼んでいる。

・右派が得意なのは後ろ向きになることだとすれば、左派は内向きになって互いに非難の応酬を延々と続けることを得意とするのだ。

・ゲイツをはじめとする世界を救う億万長者たちは、総称して「ダボス階級」と呼ばれるに至っている。

・「移民危機」について懸念する声は聞かれるが、そもそも移民を引き起こした危機そのものを懸念する声ははるかに少ない。

・オーストラリアに向かう何人の乗る船はすべて海上で拿捕し、難民たちを遠く離れたナウルやパプアニューギニアのマヌス島にある収容所に送り込むということが組織的に行なわれている。

・人々は明確な「ノー」を突きつけた──銀行家の強欲に「ノー」、緊縮財政に「ノー」、そしてエジプトでは独裁に「ノー」を――が、その「ノー」の先にある世界についての明確で魅力的なビジョンが欠けていたことは否めない。



NOでは足りない――トランプ・ショックに対処する方法

NOでは足りない――トランプ・ショックに対処する方法

  • 作者: ナオミ・クライン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/07/28
  • メディア: 単行本



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『ジャイロモノレール』 [☆☆]

・理屈というのは、「やる気」や「信念」よりも強固だ。理屈が正しいものは、必ず実現するはず、と考えるのが、すなわち「科学」である。

・学ぶことはインプットであり、いうなれば、栄養を採っている行為だ。インプットばかりでは、肥満になる。太って動きにくい頭になる。

・老化しない頭とは、運動する頭だ。それには、アウトプットすること。すなわち思考することである。

・回転している独楽の回転軸をZ軸とする。この独楽に対して、x軸のプラス座標が下がるように力をかけてみる。すると、回転方向へ90度ずれたy軸のプラス座標が下がる。これがジャイロ効果である。

・傾いたジャイロをさらに倒そうと加勢することで、モノレールの姿勢が戻る。ここが不思議な点である。

・文章を読んだだけでは、文字が知識として入力されても、理屈が頭の中で展開しない、という状況の方が多数だと思われる。

・日本人のコレクションに対する認識は、ただ集めることだけに夢中になっていて、集められる品をコンプリートすることが目標となっているように見える。

・彼らのコレクションは、もちろん趣味であるが、集めることが目的ではない。なにかの趣味がさきにあって、そのために集めているだけなのだ。これは、ある分野の研究を行うために資料を集めることと同じ行為である。

・人間を職業で評価するのも、日本社会の傾向として顕著である。「職業に貴賤はない」といいながら、まったくそうは考えていない人がほとんどだろう。

・多くの方は、「研究」を「勉強」あるいは「学習」だと勘違いしているようだ。

・研究という行為は、「学ぶ」ことでも「調べる」ことでもない。だから、問題を自分で見つけたあと、図書館で調べる、人にきいて回る、ということで解決できるものは、研究ではない。

・学習や調査で解決してしまう問題だったら、それは「研究」ではなく、「調査」になる。

・研究とは、一言で表現すれば、自分が最初に知ることだ。世界の誰も知らないことを自分が突きとめる、という行為を「研究」と呼ぶ。

・研究テーマとして成立するかどうかは、既に知られているものではない、という点にあるからだ。

・思うに、考えることを日課にしている人ほど、頭の老化が遅いように見受けられる。そうして、世の中を見回すと、多くの人は毎日同じことをして、考えない生活に徹しているようだ。

・本当の楽しさを知らない人が、多いのかもしれない。賑やかさとか、笑えるとか、はしゃぎ合うことが楽しさだと思っているのかもしれない。

・19世紀頃に1つの頂点を迎えた機械技術は、電子技術に駆逐され、現代ではその多くが消えかかっている。機械文明は、今や失われた技術となりつつある。

・最先端である必要はない。というよりも、自分がどちらを向いているかで、先端は違ってくる。



ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/09/27
  • メディア: 新書



ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: Kindle版



タグ:森博嗣
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『絶望キャラメル』 [☆☆]

・自分が生まれる前の時代が輝いて見えるのは、お前がそこにいなかったからだよ。その時代の悲しみや絶望を噛みしめずに済んだからだよ。

・ヒトは成長が遅い。木といい勝負だ。

・地元民が観光事業の雇用に流れると、とたんに耕作放棄地が増えていった。

・具体的なアイデアを提案する者はおらず、ただ漠然と、何の根拠もなく奇跡が起きるのを待っているのだった。

・本には「バカが世界を救う」と書いてありました。なぜそうなのかというと、バカは恐れを知らないし、普通の人が守っているルールや最初から無理だと思い込んでいることを無視するからです。

・謙虚であることは悪くないけど、勝負の時は我を通さないとな。

・人はずっと首を横に振り続けていると、たまには縦に振ろうかという気になる。

・「悩みがあったら相談に乗る」とか、「ちょっと手伝って欲しいことがある」などとフレンドリーに接し、信頼から依存へ、そして愛情へと誘導しようとする。

・女偏に台と書いて、始まるという字になるだろう。女が台に上がらないと、何事も始まらないんだよ。

・幼い頃に可愛かった子は大人になると、面白い顔になってしまう。

・今時珍しい。写真より実物の方がいいなんて。みんな当たり前のようにレタッチやメークや整形でデコレーションするから、顔はキャンバスも同然なのよ。だから、お絵描きが上手なことが美人の条件になっている。

・アイドルになるということは、自分の分身を操るのと同じだ。本名でデビューしてしまうと、素の自分に戻って来れなくなるかもしれない。

・人は使う道具によって変わるものだ。

・ヒトは微生物の力を借りなければ、乳製品や海藻を消化することすらできない。人が病気になるのも、健康でいられるのも微生物次第なのだ。

・人間は生物圏の支配者だと思い上がっているが、実は大気や土壌、海洋、湖沼河川、森林などあらゆる領域を形成し、維持している微生物こそがこの惑星を支配しているのである。

・せっかちな素人はろくな結論を出さない。

・ため息は通常の二倍の空気を肺に取り込めるし、その分の酸素が脳に運ばれるから、脳の活性化にもなる。ストレスを感じた時にため息の回数が増えるのは身体の要求に応えているから。

・人は長く同じ場所にとどまっているべきではない。農業だって同じ畑で連作をしていると障害が出る。

・挫折経験者はなかなかそのことを他人には教えてはくれず、自分で学べと突き放す。

・天才も何もしなければただの人だよ。

・彼らが欲しいのは天才であって、普通の優等生なんかには興味はないだろう。ウヨク偏向教育甚だしく、自由な発想とか我が道を行く態度を嫌う日本の教育からは天才は現れにくいと思っているに違いない。

・何処へ行っても、ボランティアの監視の目が光っている現実を悟った。



絶望キャラメル

絶望キャラメル

  • 作者: 島田雅彦
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/06/12
  • メディア: 単行本



絶望キャラメル

絶望キャラメル

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/06/13
  • メディア: Kindle版



タグ:島田雅彦
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