SSブログ

『AI時代の新・地政学』 [☆☆]

・中華とは、ユーラシア大陸東部の諸文化を「漢字」の下に融合した混合体。

・冷戦初期のソ連は戦略核や宇宙開発で米国に匹敵する技術力を誇っていた。転機は1980年代に米国で始まったコンピュータ・情報技術(IT)革命だ。当時からIT技術面でのソ連の立ち遅れは致命的。

・実際に戦争を起こして政治目的を達成する意思がなければ、ハイテク兵器も展示用兵器と変わらない。

・一国の平和は、憲法ではなく、正しい脅威認識とその対処に必要な軍事同盟の円滑な運用によって初めて可能となる。

・歴史の大きな流れさえ掴んでいれば、大戦略の立案は容易となる。日々の細々とした小さな事象に目を奪われてはならない。

・戦略的に思考するためには、日々のマイナーな事象ではなく、今後20~30年間に起こる歴史の大局の原因・前兆となるメジャーな事象を直感力で見出し、過去から将来への歴史の流れを正しく見極めることが不可欠だ。

・米国の戦略思考家は、国際情勢を左右する主な要因を「ドライバー」と呼んで重視するが、森羅万象の中からこれを見つけるのは意外に難しい。巷には「ドライバー」以下の些細な事象が結構多いからだ。

・アメリカン・ジュ―(AJ)とジューイッシュ・アメリカン(JA)の違いは何か。AJとは自分はユダヤ人だがたまたまアメリカに住んでいると考える人、逆にJAとは自分はアメリカ人だが、先祖はユダヤ人だと考える人だ。

・欧米では、戦争回避を最優先するこの種の稚拙な外交方針を「宥和政策(appeasement)」と呼ぶ。

・歴史は繰り返さないが、韻を踏む。

・ロシアと直接国境を接するフィンランドに勇猛果敢な陸軍を、スウェーデンには強力な迎撃能力を誇る空軍を置き、ノルウェーがNATOの援軍を受け入れる。これで北欧の平和と安全を守ってきたのだ。

・重要な点は、「平和を守る戦争の準備をする」という、彼らのごく当たり前の発想だ。

・難民はrefugeeだと保護義務が生ずるので、asylum seeker(庇護希望者)を使う。



AI時代の新・地政学 (新潮新書)

AI時代の新・地政学 (新潮新書)

  • 作者: 宮家 邦彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/09/13
  • メディア: 新書



AI時代の新・地政学(新潮新書)

AI時代の新・地政学(新潮新書)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/09/14
  • メディア: Kindle版



タグ:宮家邦彦
nice!(0) 
共通テーマ: