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『おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係』 [☆☆]

・より一層のおもてなしを積み重ねていくのではなく、どれだけ顧客の足元から不便を取り除けるか?

・「顧客を喜ばせること」はやる気を喚起するものの、見当違いの目標だ。ほとんどの企業はザッポスのように、サービスを売りにしているわけではない。

・サービスの至高の目標が、顧客を喜ばせることではなく、安心させることだとしたら?

・モーテル6に宿泊する時、人は何を期待するだろう? 低価格、清潔な部屋、まずまず適正な基本サービスであって、リッツ・カールトンレベルのサービスなどではない。それですこぶる満足なのである。期待とは結局、相対的なものなのだ。

・我が社のCSATスコア(1~10)は、8.2。8.6や8.8を出すのに数百万ドルのコストをかけたとして、果たしてその結果数百万ドルの利益が得られるだろうか? そうは思わない。

・よい製品エクスペリエンスの場合、口コミはたいていお勧めの形をとる。何か素晴らしいものを知った時、人はそれを自分の賢さとして他の人たちに話したくなる。

・サービス・インタラクションで不快な思いをした時、それを人に話すのは、主として相手に同情してもらいたいからだ。

・企業に対してよい経験をした人のうちでそれを3人以下に話したという人が45%だったのに対し、嫌な経験を10人以上に話したと答えた人は48%だった。

・理由は何であれ、彼らはひどいサービスエクスペリエンスを提供して私たちの怒りを買った。では、次に利用する航空会社は何を根拠に選ぶだろう。サービスの評価が最も高い高航空会社を選ぶだろうか? きっと違う。私たちは価格と空席状態で選ぶ──「あいつら」以外の会社の中から。

・私たちは製品を理由に企業を選びながら、サービスの失敗のせいでその企業から離反することが度々あるのだ。

・窓口係が客を待っているのはよくわかっているのに、ATMの列に並ぶ。たいていの顧客がセルフサービスを好むだけでなく、わざわざセルフサービスを使う同様のケースは数えきれない。

・彼らが毎日受けている多量のライブ電話の大半は、すでにセルフサービスを試してみた顧客からのものだとは認識していない。企業にかかってくる電話の約58%は、一応企業のウェブサイトを見てみたが、何らかの理由で、結局コールセンターに電話することになった顧客によるものだ。

・単純化とは易しい言葉を使うのではなく、オンラインで大半の顧客がするように、一読すれば理解できるよう情報を読みやすくするということだ。

・経験工学とは、注意深く選択した言葉遣いで会話をコントロールしてその舵を取り、告げられている内容を顧客がどう解釈するかを改善することである。

・ほとんどの人にとって「ノー」は、一連の負の感情を引き起こすきっかけとなる言葉である。怒り、激怒、口論などは、すべてDNAに刷り込まれている。生後6か月から12カ月の間のどこかで初めて経験し、今日までずっと体の中に住みついているのだ。

・本社の指揮官たちが作り出した素晴らしい戦術の成否は何百人、何千人の歩兵たちの行動によって決まるのに、肝心の彼らが作戦成功に注ぐ意欲は、「安定した収入が欲しいくらい」のものでしかないかもしれないのだ。

・口調が単調で、プロらしさはあるが人間らしさが感じられない、ロボットのような雰囲気の人たち。

・大切なのは何をコーチングするかではなく、どのようにコーチングするかだ。

・多くの小売店にはレジ待ちの行列ができてボトルネックとなり、しかも列は店と出口の間にできる。

・アマゾン・ドット・コムではストレスなく時間をかけずに購買決定まで進むのに対し、楽天市場ではこれでもかというくらいの商品PRが続き、なかなか購買まで辿り着かない。

・アップルストアのアプリ数は200万強あるものの、ユーザーが月に1回以上利用するアプリは平均30個しかない。

・自分で検索し、自ら問題解決する層がどんどん増加している。「75%の人が、セルフサービス型が楽で便利」と回答し、「67%の人が、電話で企業担当者と話すより自分で解決したい」と回答している。



おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

  • 作者: マシュー・ディクソン
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2018/07/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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