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『ザ・フォーミュラ 科学が解き明かした「成功の普遍的法則」』 [☆☆]

・いわゆる成功本は、そのほとんどが気持ちを鼓舞するようなメッセージ集か、ただ単にエピソードを積み重ねた事例集でしかない。

・成功とは、個人的なものではなく集団的なものであり、あなたが属する社会の反応を必要とする。あなたの仕事の成果が、その社会にとって重要なものでなければならない。

・何かが芸術作品になるのは、それが手作りだったり美しかったりするからではなく、何らかの思想を表現しているからだ。デュシャンは、その考えを行動で示した最初の芸術家だった。

・「成功とは集団的なものだ」という成功の定義に従えば、自分の仕事が他の人に影響を与える方法について考えなければならない。

・望みうる男子100メートル走の最速記録は8.28秒だという。それが、全力疾走した際のパフォーマンスの限界値である。現在の世界記録とは1.3秒しか違わない。

・彼らが崇拝されるのは、ライバルよりも圧倒的に素晴らしい音楽を生み出すからではない。彼らが優れたピアニストであると同時に、「いかにもそう見える」からだ。

・ある女性が、面接に現れた求職者を採用したのは、彼がピンクのソックスを履いていたからだというのだ。求職者はみな優秀だったが、面接続きの長い一日を終えてみれば、結局、印象に残っていたのはその明るい色合いのソックスだった。

・飛ぶように売れるベストセラーは、社会のお墨付きだ。みな揃って同じ本、同じ楽曲、同じレストラン、流行の同じツールに殺到し、それ以外のものには見向きもしない。

・アメリカには、広口瓶の中にM&Mの小さなチョコレートを入れ、いくつ入っているか、子供たちに当てさせるゲームがある。たくさんの子供に訊けば訊くほど、答えに近づく──ただし、他の子供の答えを教えなければ。同じことはアマゾンにも言える。レビューを書く人が増えれば増えるほど、本来の適応度から離れてしまうのだ。

・ビデオゲームの世界でも約束事とイノベーションとのバランスを保つ必要がある。慣れ親しんだ要素がなければ、うまく遊べない。だが目新しさがなければ、ファンの心は掴めない。

・リーダーがこなす作業が多ければ多いほど、プロジェクトは成功していた。

・「大いなる思考が会議で生まれたためしがない」という有名な警句を吐いたのは、作家のスコット・フィッツジェラルドだ。

・リーダーが多過ぎると、口論や足の引っ張り合いやいじめが横行して、鶏であろうと人間であろうと最も醜い部分を引き出す。

・新しい情報を記憶し、それを一時的に保ち、処理する能力を測定するこれらのテストは「一般的な認知能力」、すなわちIQの高さを測るものだ。

・少数のメンバーが会話を独占するチームよりも、メンバーが平等に会話するチームの方が、集団的知性が高かった。つまり、優れたチームではみなが発言してお互いの意見を聞いていた。

・集団思考に陥るのはチームが固い結束で結ばれて排他的になり、別の解決策を検討すべきところを、欠陥のある計画に固執して、その上にコンセンサスを築こうとする時だ。

・今日、研究はたいてい協力し合い、それぞれが独自の専門知識を提供し合ってチームで進める。それゆえ、非凡な科学者に栄誉を授けるという習慣は時代遅れになる。ノーベル賞のような大きな賞は、個人の功績をたたえるという20世紀のスタイルなのだ。

・数字だけでは本当の恐ろしさは伝わらないため、強く人の心を打たない。行動に駆り立てない。ところが、その数字に顔や人や写真が伴えば、状況の恐ろしさが一気に心に迫ってくる。

・人生初のローンを申し込んだ客に、銀行員は申し訳なさそうに、だがきっぱりと答える。私どもは、ローンを組んだ経験をお持ちのお客様だけにご融資を行なっております。

・私はただのバックコーラスとして、たくさんのスターの「ために」歌ってきたのではない。スターと「ともに」仕事をしてきたのだ。

・ひとりで論文を書く女性経済学者が終身在職権を獲得する確率は、男性の経済学者と変わらない。ところが、女性経済学者が論文を共同執筆すると、突然性差が現れる。共同研究に参加するたびに、在職権を認められる確率が下がってしまうのだ。

・画期的な論文を発表する確率は20年後にはがくんと落ちる。だがここで重要なのは、生産性もまたがくんと落ち込んでいたことである。

・画期的な論文を発表するのは、若さと創造力のためではなく、全体的に生産性が高いからである。

・不変のQファクター=アイデアを形にする能力

・「アイデアは二束三文だ」。投資家が切る小切手の数字の大きさを決めるのは、アイデアを形にして、役立つ製品を生み出す能力である。

・その並外れたQファクターのおかげで、ジョブズの超弩級の失敗の数々は、超弩級の成功の陰にすっかり隠れていたのである。

・Qファクターは時間を経ても変わらないため、もしあなたが何度やっても成功できないのなら、職業の選択を間違えている可能性がある。Qファクターと仕事とがうまく響き合わないのなら、職業の選択を間違えている可能性を疑ってみるべきだろう。

・フィッツジェラルドの警句の全文は、「大いなる思考が会議で生まれたためしがない。だが、愚かな考えの多くもそこで死んだ」。

・テニスはサッカーと比べても世界的にファンの数は少ないが、間違いなく富裕層に人気がある。



ザ・フォーミュラ 科学が解き明かした「成功の普遍的法則」

ザ・フォーミュラ 科学が解き明かした「成功の普遍的法則」

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/06/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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『勉強の哲学 来たるべきバカのために』 [☆☆]

・まず、勉強とは、獲得ではないと考えてください。勉強とは、喪失することです。これまでのやり方でバカなことができる自分を喪失する。

・無限の可能性(=自由)の中では、何もできない。行為には、有限性(=不自由)が必要である。

・有限性(=不自由)を引き受けながら、同時に、可能性(=自由)の余地をもっと広げる。

・私たちは環境依存的であり、環境には目的があり、環境の目的に向けて人々の行為が連動している。環境の目的が、人々を結びつけている=「共同化」している。

・環境における「こうするもんだ」とは、行為の「目的的・共同的な方向づけ」である。それを、環境の「コード」と呼ぶ。「周りに合わせて生きている」というのは、環境コードによって目的的に共同化されているという意味です。

・私たちは個性的な存在です。しかし、100%自分発の個性はない。個性とは、私たち一人ひとりが「どういう他者とどのように関わってきたか」の違いなのです。個性は、他者との出会いで構築される。

・いわば、言葉は人間のリモコンである。

・アイロニーは「根拠を疑う」こと。ユーモアは「見方を変える」ことである。

・決断は、単に偶然的なもの、たまたま出会ったもので、何に決めてもいい。比較検討を十分にやったかどうかは関係ありません。というか、決断する前の段階で比較して考えていたとしても、決断が起これば、考えていたことはすべてふいになります。

・たまたま、ある人の考え方に出会って、それ=他者に完全に乗っ取られる。決断とは、自分の決断の絶対化だが、それはつまり、他者への絶対服従である。

・信頼できる著者による紙の書物は、検索して上位にすぐ見つかるようなネットの情報よりも、信頼できる。

・入門書によって、勉強の範囲を「仮に有限化する」のです。専門分野に入る前提として、どのくらいのことを知っておけば「ざっと知っている」ことになるのか、という範囲を把握する。

・勉強を深めるには、多読というか、通読はしなくてもたくさんの書物を「知る」必要があります。頭の中にブックマップを作る。

・そもそも、これまでの自分にとって異質な世界観を得ようとしているのだから、実感に合わないことが書いてあって当然なのです。むしろ、「なんでそんなふうに考えるの?」と気味悪く、ときには不快に思うこともあるような考え方を学んでこそ、勉強なのです。

・これまでの自分に知識やスキルを足すのではなく、感じ方、考え方を、根本的に揺さぶる。慣れるとそれは、マッサージのように気持ちよくなってくる。

・教師や著者は、何らかの享楽的こだわりを背景として、「ある考え方」になっている。享楽のレベルで、教育に対する自分の合う、合わないがある。あなたに合う教師や著者は、あなた自身の享楽的こだわりに、何か共鳴するところがあるのでしょう。「労働問題にこだわる」教師や著者に、やはり「労働問題にこだわる」あなたが共鳴する。

・勉強するにあたって信頼すべき他者は、勉強を続けている他者である。

・どんな分野のものでも、SFやファンタジー小説を読むように読む。そういう小説の場合、架空の生物とか、アイテムとか、魔法とかが、その世界の「設定」の中でどういう機能を持つのかを把握しながら読むことになります。専門分野を学ぶことはそれに似て、ある設定、すなわち構造の中で、言葉=概念の機能を捉えることなのです。

・読書をしながらのメモや、とりあえずのアイデア出しは手書きにして、最終的にスマホのカメラで撮って、ノートアプリに転送する。

・普段から、書くことを思考のプロセスに組み込む。アイデアを出すために書く。アイデアができてから書くのではない。

・一見別々のことでも、実は「似たこと」として考えられる、という発想を持つ。



勉強の哲学 来たるべきバカのために

勉強の哲学 来たるべきバカのために

  • 作者: 雅也, 千葉
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:千葉雅也
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『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』 [☆☆]

・「アイツのやっていることは、果たして正解なのかなぁ」という議論のネタになったり、そういった、存在そのものが「質問」になっている人を僕は芸人と定義している。

・「問い」を持つ癖を身につけなければ、面白いことは何ひとつ始まらない。

・「スター」にはなっていなかった。僕が右を向けば、世間が右を向くようなスターに。

・僕の絵本は本屋で「作品」として売れ、いろんな土地で誰かが開催している原画展で、「おみやげ」として売れている。

・「会いにいけるアイドル」ではなくて、「会いにくる芸人」。

・時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって「確認作業」で、つまりネタバレしているモノにしか反応していない。

・本当に見せたいモノを2番目に置くことで、本当に見せたいモノのファン以外の人に、本当に見せたいモノを見つけてもらう。

・「正しいことしている人」にとって「自分の反対意見は悪」になる。

・戦争が無くならない理由は何だと思う? それはな、人間の中に「好き」という感情があるからだ。そんなものがあるから、好きな物を他人から奪ってしまう。また、好きな物を奪った奴を憎んでしまう。

・人は便利な方に必ず流れるから、遅かれ早かれ、小学校……下手すりゃ幼稚園レベルから授業中のスマホ使用は必ず常識になる。

・空気なんて読めて当たり前。人が多い方を選べばいいだけだから。

・半径50メートルに当たり前のようにコンビニがある国の幸福度なんて低いに決まっている。10点から40点に伸びたら「幸せだなぁ」と思えるけれど、95点から96点に伸びたところで、さほど幸せは感じられないわけだ。

・全国各地に数多ある寂れた商店街で、一番最後まで生き残るのはスナックで、理由は魚屋さんや肉屋さんのようにコンテンツを売っているのではなく、そこで過ごす時間や体験を売っているから。

・スナックの強みは「待ち合わせ場所」であること。

・今のテレビって「面白いことを言う人」は出ているけれど、「面白いことを考えている人」は出ていないじゃないですか。

・温泉だけでは足が動かないのだ。温泉に入る前、出た後に何をすればいいかわからないから。

・皆が「一度行ってみたいなぁ」と思っているような場所でライブをしてみると、たとえ物質的距離は遠くても、心理的距離が近く、都内よりも足を運んでもらいやすいかもしれない。

・作り手が追求している「クオリティー」は、お客さんの購買理由の1位にはきていない。



魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

  • 作者: 西野 亮廣
  • 出版社/メーカー: 主婦と生活社
  • 発売日: 2016/08/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

  • 作者: 西野亮廣
  • 出版社/メーカー: 主婦と生活社
  • 発売日: 2017/10/19
  • メディア: Kindle版



タグ:西野亮廣
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