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『欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦』 [☆☆]

・インターネットの世界にはルールが何もなく、サイバー戦争が絶えず、国家間同士が攻撃し合うばかりか、個人までもが、国家や他者に対して闘争を仕掛けています。

・インターネットの世界では、30年戦争のような状況が続いています。そして、それはおそらく、まだ初期の段階で、これから本格化することでしょう。

・大惨事を阻止しようと先手を打って、コストをかけて行動しても、決して報われることがないからです。起こらなかった惨事に対して感謝する人はいません。

・大惨事の後で、危険性に気付きながら何もしてこなかったことが暴露されれば、厳しい批判に晒され、責任を追及されることになります。

・社会は複雑で、簡単な数式では説明できない。

・1904年の日露戦争に始まり、1953年に朝鮮戦争が休戦するまで、戦争は続きました。1990年代には、ある意味で、世界は既に戦争を使い果たしていたのです。

・新型コロナウイルスで犠牲になる大多数は高齢者である可能性が高いようです。そうだとすると、経済を完全にシャットダウンしてしまうことに意味はありません。高齢者はもともと活発に経済活動をしている層とは隔離されているような状況にあります。大半は既に退職し、働いていないからです。

・ウイルスは差別しません。しかし、防衛策や感染後の処置は資産や収入に左右されます。

・中国は今回の危機の原因と危機の重大性について、事態が手遅れになるまで明らかにしませんでした、こうした体質を持つ中国に依存する今の国際体制は見直す必要があります。製造拠点として中国に過剰に依存した体制には根本的な欠陥があったのです。

・もともと、店舗販売の小売業の将来は悲観されていましたが、パンデミックにより、10年ほど前倒しになりました。

・通貨供給量を増やす金融政策に効果はなく、私たちは恩恵を受けません。

・効果的な政策は、通貨供給量を増やすことではなく労働人口を増やすことです。

・その会社が等分を大量に含んだ清涼飲料水の製造を止めても競合会社が販売します。ですから、売りたくないと思っても、競争に勝ち抜くため売らざるを得ません。しかし、子供への販売の制限や、子供向けの飲料水のサイズや砂糖の含有量などについての規制があれば、どの会社も競争の条件が同じになります。

・現代の経済では、全体の2%の労働力で人々が消費する食料のすべてを生産できます。おそらく8%ぐらいの労働力で、食料以外の有形財のすべてを生産できるでしょう。つまり、労働力の大半を、有形財以外の生産に使うことができるのです。

・「経済」の概念を変えなければなりません、従来の経済はモノの生産に主眼を置いていました。

・経済学は本質的にモラル・サイエンスの一つであり自然科学の一つではありません。



欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦: コロナ危機の本質

欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦: コロナ危機の本質

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: 単行本



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『読書する人だけがたどり着ける場所』 [☆☆]

・現代人のアテンション・スパン(一つのことに集中できる時間)はたった8秒。2000年には12秒だったものが4秒も縮み、いまや金魚の9秒より短いと言います。

・ネットで文章を読むとき、私たちは「読者」ではありません。「消費者」なのです。

・消費しているだけでは、積み重ねができにくい。せわしく情報のアクセスしているわりに、どこかフワフワとして何も身についていない。そのときは「へえ」と思ったけれど、すぐに忘れてしまいます。

・「AIにできることは学ばなくていい、AIにできないことだけ一生懸命学ぶ」という考えはリスクになりこそすれ、人生を豊かにはしてくれません。

・動物や虫たちは地域や時代を超えたところにいたものたちが、何を考えていたかを知ることができません。

・浅い質問には、「それはこうです」と答えて、はいおしまい。簡単です。そこからさらに話が広がったり内容が深まったりすることはありません。

・映画を見た感想やニュースに対するコメントにしても、聞く人が刺激される面白い話ができる人と、みんなが言っているような一般的なことしか言えない人がいます。

・教養のある人のほうが、人生が面白くなる。この世はもっともっと複雑な楽しみにあふれています。その複雑な楽しみに気づき、面白がることができるようになるのです。

・狐は「あんたのバラをかけがえのないものにしたものは、費やした時間だ」と言い、「大切なものは目に見えない」という秘密を教えてくれました。

・感情が動いたら、その感情をあらわす顔文字のようなマークを付けておくのもいいと思います。読みながら得た自分の感触、インスピレーションをつなぎ留めておくのです。

・『夜と霧』には、「私たちが生きることから何を期待するかではなく、むしろひたすら、生きることが私たちから何を期待しているのかが問題なのだ」といった言葉が出てきます。

・私たちは「生きる意味」が実態として存在しており、それを探すようなことをしてしまいがちですが、それではダメだとフランクルは言っています。逆に自分自身が問いかけられている対象なのだと気づかなければなりません。

・大型書店に行ったとき、「こんなに読むべき本がある!」とワクワクするか、はたまた「自分にはとても読み切れない」と恐怖のようなものを感じるか。この世を過ごすうえで、深くてすごいものに出会うだけでも、もう時間がないと気づきます。薄っぺらい、浅いものに付き合っていられないわけです。



読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

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  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/01/08
  • メディア: 新書



読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)

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  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/01/07
  • メディア: Kindle版



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『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 [☆☆]

・そこそこのサーバーを使って5分で解けない問題は、スパコンを使っても、地球滅亡の日まで解けない。

・日本ではAIの専門家にすら、近未来にAIが夢のような世界を実現するという期待があります。

・日本ではAIへの期待がこれほど大きいのに、国も企業も、何を目指してAI投資をすればよいかというリアリティに欠けていて、大言壮語する研究者に巨額の予算をつけてみたり、とりあえずAIコンサルに高額な費用を払ったりと右往左往しているように見えます。

・AIには計算できないこと、基本的には、足し算を掛け算の式に翻訳できないことは処理できないことを意味します。

・ワトソンは、医師が専門的知識と常識と論理と倫理観に基づいて診断をする上で必要となる「探し物」を手伝っているに過ぎません。

・「具体例同定」のランダム率は、何と8割です。「偶数とは何か」「比例とは何か」という定義を読んで、偶数や比例を選ぶだけの、計算も公式も必要ない問題において、中学3年生の8割がサイコロ並みにしか答えられなかったのです。

・コピペでレポートを書いたり、ドリルと暗記で定期テストを乗り切ったりすることはできます。けれども、レポートの意味や、テストの意味は理解できません。

・小学生のうちからデジタルドリルに励んで、「勉強した気分」になり、テストでいい点数を取ってしまうと、それが成功体験となってしまって、読解力が不足していることに気づきにくくなります。

・文科省または中教審の基準では、高校までが「学習」で、大学は「学修」なのだそうです。

・教科書が読めなければ、予習も復習もできません。自分一人では勉強できず、ずっと塾に通わなければなりません。けれども大学には塾はありません。社会に出ればもちろんです。

・高校で三角関数と微積分、そして行列は必須です。機械学習も強化学習もシミュレーションも、この3つがわからないとどうにもならないからです。

・AIにできるのは、基本的に生産効率を上げることだけで、新しいサービスを生み出したり問題を解決したりはできないのです。

・ショールームを確保しておくためのコスト、新しい技術を生み出すための研究開発費、商品の品質や安全を保障するための品質管理費などの費用は、まさに情報非対称性や市場の独占によって、捻出されていた側面があります。

・「総務」とか「会計」とか「商品開発」のように名刺を見たら何をしているのかわかるような仕事は、何をしているかわかるが故に、AIに代替されやすく、先細っていくと思われます。

・教師ありのディープラーニングにおいて、AIは決して教師データの精度を超えることはできません。



AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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  • 作者: 紀子, 新井
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/02/02
  • メディア: 単行本



AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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  • 作者: 新井 紀子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/02/02
  • メディア: Kindle版



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