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『本と鍵の季節』 [☆☆]

・情報ってのは「差」だ。真っ白な紙には何の情報もない。完全に規則正しく黒い点を打っても、やっぱり情報にならない。ある場所には多く、ある場所には少なく点を打ってはじめて、それは情報になる。

・金庫を開けるときは、「ダイヤルをぐるぐる回して41を6回通過させ、7回目に41で止める」ってやり方をする。

・いないやつの責任にすれば、たいていのことはなんとかなる。

・やっぱりあれは傍観と表現した方がしっくり来る。僕たちは偶然見てしまったのではなく、もっと能動的に、ただ見ていることを選んだのだ。

・認識を共有できているという感覚はあるくせに、やっぱり言葉で確認しないわけにはいかないのだ。

・専門的な訓練を受けたわけでもないのに、狭い範囲の経験則を振りかざして自分に知識を誇示するような、せこい真似をしていた。

・半可通がいっぱしを気取るほどお寒いことはない。

・人を信じるのが苦手だ。心からの言葉でも、狙いはなんだと疑っちまう。

・物語の基本は復習と宝探しだそうだ。

・人には心というものがあるんだ。他に方法がなければしかたがないが、必要もないのに人前で恥をかかせるような言い方をしては、可哀想だろ。

・言いたいことだけを言うのは難しいことだ。言いたくないことまで伝わってしまう。

・およそ、宝物の隠し場所がばれるのは、疑心暗鬼にかられて隠し場所を変えようとするときだと相場が決まっています。

・農地の真ん中ににょきっとマンションが建っているところは何度も見た。土地の使い道に困って、勧められるままに建てちまうんだ。

・お前の悪いところだな。人が得意気に話しているときは黙って聞くのもマナーだろ。



本と鍵の季節

本と鍵の季節

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: 単行本



本と鍵の季節 (集英社文芸単行本)

本と鍵の季節 (集英社文芸単行本)

  • 作者: 米澤穂信
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: Kindle版



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