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『ブギーポップ・ビューティフル パニックキュート帝王学』 [☆☆]

・人々の間に混乱と恐怖をまき散らして、その後で安心させて社会を安定させるのが仕事だ。人間なんて目先の感情でしか動けないんだからチョロいもんさ。

・身の程を知らないというか、己の分をわきまえないことがいわゆる“一般人”に共通する要素だからね。

・みんな馬鹿ばっかりですよね。その中でちょっとした違いを、幸運だ、不運だ、運命だ、ってことさらに区別をつけたがるのって、やっぱり馬鹿馬鹿しいですよね。

・誰だって同じ──自分ではどうにもならないことに縛られている。いつのまにか、自分の意思とは関係のないところで決まってしまったことに、あっちこっちへ動かされる──自動的に。

・肝心なのはきっと、それに負けないこと。自動的であることを言い訳にせずに、自分の生き方を見つけようとすること。

・帝王というのはあらゆるものを支配しながら、同時にそれを受け入れられる者のことだ。

・ああ、そうか。それで孤立しているんだね。君は他の友達が感じているようなことが、どこかピンとこない──みんなが信じているものが信じられない。だから不安なんだね。

・科学文明そのものが、人間では把握しきれないスケールの化け物かも知れない。

・「前進って──それは世界平和という理想を目指す、とか?」「いやいや、そんな誰でもわかるようなものでは、とても目的地とは言えないよ。そんな程度のことなら、その気になったら千年前にだってとっくに実現してなきゃおかしいだろ? でも、そうならなかった。ってことは人間の進む先はそっちじゃないってことさ」

・人間は、動きたいんだよ──立ち停まりたくないんだ。そこに価値を見いだしている者が、常に歴史の勝者となるのさ。

・大きなものに憧れて、それに同一化するだけで満足するような連中は皆、そこでおしまいさ。美しくないんだよ、追従者は。

・自分は慎重なのではない、他の者たちがあまりにも性急で、拙速すぎるだけだと思っている。

・あらゆる美はすべて、他の何かを征服し、支配するところから生まれる。芸術はその代表だ。彫刻や絵が“永遠”を手に入れて時間を支配しようとする試みである。

・世界は基本的に、無意味だ。人が色々な価値を生み出さない限り、なんの道理もない。美しさというのは、世界に意味を持たせる作業なんだよ。

・それは世界を、その中にある様々な問題を、自分のものとして考えることさ。世界というものが自分とは無関係に回っているものだと思わずに、我がこととして、その中で帝王として何をなすべきか自覚する。

・帝王の責任というのが究極的にどこにあるかと言えば、それはきっと“負けを認めるとき”──降伏を何かに対して宣言するときにこそ、必要なのかも知れないね。

・みんなに偉そうに色々と言っていたけど、それは理解を広めようとしていたんじゃなくて、単に自分は他の連中とは違うんだ、という自意識を守ろうとしていただけなんだ。

・わたしたちはこうやって、毎朝毎朝、早く起きた方が電話をするという習慣になっている。お互いの朝の勉強をサポートするため、ということになっているが、ただの遊びのような気もしないでもない。



ブギーポップ・ビューティフル パニックキュート帝王学 (電撃文庫)

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/05/10
  • メディア: Kindle版



タグ:上遠野浩平
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『金融ダークサイド』 [☆☆]

・アメリカの二院制は、いわば分業制で、大きく分ければ上院が外交や安全保障を、下院が内政という役割である。

・モーツァルトのオペラ「魔笛」の滑稽なパパゲーノ同様、口に鍵しておけばよいものを、自ら言葉で説明しようとした。これは、ゲームの中で最もやってはいけない悪手だ。検察側はその論拠を突き崩すための証拠を探すことになるのだから。保釈中に自分のことを話すというのは、愚の骨頂だった。

・無職であるということは無収入であることを意味しない。

・豊かさと、疑惑の視線の及ばない静かな暮らしの両立が黒い経済人の求めるライフスタイルだ。

・資産は保管しておくだけでは、ただの置物に過ぎない。使えるようになって初めて価値を持つ。

・歴史上、資金洗浄を初めて行ったとされているのは、アメリカのマフィア組織「シカゴ・アウトフィット」のボス、アル・カポネとされている。

・少額の匿名の現金が大量に集まるコインランドリーをいくつも所有し、その売り上げの中に黒い金を潜り込ませる手口だ。

・資金洗浄には「washing」(洗浄)が使われてもおかしくないのだが、カポネの「コインランドリー」が元になって、「ロンダリング」(laundering=洗濯する)という言葉が当てられたとされている。

・しかしその後もビットコインは値上がりを続け、17年12月8日、1ビットコインは240万円となる。はたして私にとって正解は240万円を待つことだったのだろうか? 答えは「ノー」だ。150万~160万円で売ることが「投資」、240万円で売ることは「投機」であり「ギャンブル」だからである。

・株、土地に限らずあらゆるバブルの最終局面には共通の特徴がある。驚くべき速度で売買される合計金額が上がっていくのだ。その理由は、それまで見ていただけの一般投資家が参加してくるという単純な理由である。敏感な人はいち早くそこから抜け出したが、それを続伸のサインと見た人はバブルの崩壊とともに沈んでいった。

・「資金調達」「インサイダー」「資金移転」と、黒い経済界にとって「走・攻・守」揃った名プレーヤーの仮想通貨は、当然のことながら国際社会で規制を求められた。

・誤解してはならないのは「黒いファイナンス」を「悪」と決めつけることだ。「白いファイナンス」では得ることのできない大きな利益を「黒いファイナンス」が生み出すということは、「限りなく黒に近い白」の領域こそ合法的に収益を上げる限界点ということだ。

・限界に近い「グレーゾーン」での収益確保こそが、銀行の本来の業務だと私は考えている。

・リスクは回避するものと考えているのが日本の銀行であるとすれば、リスクはギリギリのところで管理するというのが海外の金融機関の考え方だ。

・国際化とは国から出ていくことや、国を海外の様式に変更することではない。海外で獲得したものを、自国に持って帰って初めて本当の意味での国際化が成立する。

・ビジネスは他人資本で行うべきなのだ。失敗したら、次の他人資本を探せばいいだけの話だ。その繰り返しの中に落ちている成功を拾うことにこそ、ビジネスの面白さとうまみが凝縮されると言えるだろう。

・日本には「自分のお金でこんないいものを作りました」という価値観が蔓延しているが、海外の場合は、「他人をお金を集めていいものを作りました」という価値観が基準だ。

・ベトナム戦争、中越戦争など度重なる経験から、ベトナムは知られざる医療大国だ。



金融ダークサイド 元経済ヤクザが明かす「マネーと暴力」の新世界

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  • 作者: 猫組長 (菅原潮)
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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『お金の減らし方』 [☆☆]

・今の世の中、「である」調で書いただけで「上から目線だ」「この人は威張っている」と非難される。

・お金持ちは「お金」と必ず言う。「金」と言うのは、お金に縁のない人に多い傾向が観察される。

・小さな目先の得に手を出してしまう人から、少し遅れて来る大きな利を得ることが、ビジネスというものだ。

・すぐに手に入る価値に飛びついてしまう人は、いつまでも貧乏のままだ。

・実際には、考えているのではなく、考えてもいない。ただ反応しているだけなのだ。

・お金がなくて困っている、と言いながら、スマホでゲームをしている人ばかりである。

・何にお金を使うのか? 何を買うのか? その買ったものを、どう使うのか? そこから何が生まれるのか? 自分は、そのことでどのように変化するのか? それを考えることが、当面の課題、お金の使い道である。

・「成長」とは、どう考えれば良いのか、という思考力によって成されるものである。覚えるものではなく、編み出すものだということ。

・職場の先輩がなにも教えてくれない、と不満を漏らす人もいる。おそらく、それまでは、黙っていても先生が教えてくれた。それが、会社に入って、研修を終え、実務に就いた途端、誰も教えてくれない。そこで、急に不安になる。

・小説以外のものの方が、ずっと小説に活かせる素材となりうる。

・行列に並んで、競争するように買い求めるというのは、スポーツやイベントとしては面白いかもしれないが、冷静な価値判断ができているとは思えない。

・他者を羨ましく思う気持ちは、とても大事だと思う。どうしてかというと、自分が欲しいもの、自分がしたいことを教えてくれるからである。

・「ぴんと来るもの」に出会うまで、お金を持っていれば、いずれそれが現れたとき、躊躇なく決断できる。ぴんと来ないものを買ってしまったら、そういうものがあとから現れたときに、後悔するかもしれない。

・「いくらな買うか」という数字が、つまり「欲しい気持ち」を測ったものになる。その気持ちは、人によって異なるし、また、同じ人でも、時間とともに変化する。そういった気持ちを、ある一瞬で測ることが、お金という物差しの役目である。

・自分にはものの価値がわからない、という人は、自分の金を出す気になって見ていないからである。



お金の減らし方 (SB新書)

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  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2020/04/06
  • メディア: Kindle版



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