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『国語力が身につく教室』 [☆☆]

・読書をしていない人の話し方は、単語を並べていくだけ、文章の主語と述語がつながらない、文章の始まりと終わりに一貫性がない、といった傾向があります。

・昔の社会では、決めつけや偏見が許容され、たとえば「女子供」と、女性と子供を一括りにして発言することもあったでしょう。今はそれが許されない時代になっている。

・僕らには、極めて単純なルールがある。作文の内容は真実でなければならない、というルールだ。僕らが記述するのは、あるがままの事物、僕らが見たこと、僕らが聞いたこと、僕らが実行したこと、でなければならない。たとえば、「おばあちゃんは魔女に似ている」と書くことは禁じられている。しかし、「おばあちゃんは魔女と呼ばれている」と書くことは許されている。「小さな町は美しい」と書くことは禁じられている。なぜなら、「小さな町」は、僕らの眼に美しく映り、それでいて他の誰かの眼には醜く映るかもしれないから。

・私は大学で、学生に対して、毎週1冊本を読み、3か所の引用文を入れたA4の紙1枚をもってきて発表してもらうことがあります。

・同級生をそそのかして盗みをさせた生徒に向かって、「これからは人をそそのかして物を盗ませたりしちゃいけないよ。どうしても悪いことをせずにいられなかったら、人を使わずに、自分一人でやれ。善いことも悪いことも自分一人でやるんだ」と言うセリフがあります。

・三島由紀夫は、「作法は自分の身を守る鎧である」と言っています。三島由紀夫は、作法は若者を美しくする、とも言っています。

・言葉を発するという行為は、石を池に投げ入れるような行為で、言葉が届かないとは、石を投げたにもかかわらず音も波紋も生まれない状態のようなものです。

・相手の話をきちんと聞く習慣がなく、自分の得意ネタを話し続ける人を、私は「人間ジュークボックス」と呼んでいます。

・吉田松陰は保守に含まれるのか、革新に含まれるのか。松陰の主張の内容は王政復古で、昔に戻ろうという主張は保守に見える。しかし、現状を一気に打破したいという点では革新であるともいえます。

・千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。

・「調べればわかる」と言っている人ほど、実際は調べないことが多いのです。「調べればわかる」ためには。ある程度基盤となるベースの知識がないと調べることもできません。

・よく、「単なる暗記や詰込みではなく……」といった紋切り型の言葉を聞きます。学校で習う基礎的な知識内容は、最低限身につけなければならないものです。それを「単なる暗記」と軽々しく蔑むのは、学校教育に対する冒涜ではないでしょうか。



国語力が身につく教室~できると思われる読解・文章・会話の基本

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  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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