SSブログ

『トーキング・トゥ・ストレンジャー』 [☆☆]

・ヒトラーについて正しい判断を下したのは、彼を直接的にほとんど知らない人々だった。ヒトラーについて誤解したのは、何時間にもわたって彼と直接話した人々だった。

・私たちはみな、薄っぺらな手掛かりに基づいて他者の心を見抜くことができると考え、機会があるたびに他者について判断を下そうとする。

・スパイについての問題の原因は、向こうが素晴らしいという点ではない。私たちの何かがおかしいから問題が起きるのだ。

・私たちはまず信じることから始める。説明がつかなくなるほど疑いや不安が高まるとやっと、私たちは信じることをやめる。

・あなたがだれかを信じるのは、相手に対してまったく疑いがないからではない。信じるということは、疑いの欠如を意味するものではない。相手に対して充分な疑いがないから、あなたは誰かを信じるのだ。

・もし誰かが殺人か何かの疑いをかけられたら……まったく身に覚えがなければ、「どういう意味ですか?」と訊き返してくるはずだ。そのうち、しつこく抗議してくるに違いない。でも、アナは何も言ってこなかった。ただじっと坐っているだけだった。

・会った瞬間から疑いを抱いていた。けれど疑いは、説明して取り除けないときにだけトリガーとなって不信に変わる。

・告げ口が好きな人などいない、と私たちは子供の頃に学ぶ。

・社会ののけ者だからこそ、佯狂者は真実の語り部となる。既存の社会的階層に属さない人々は、不都合な真実を平気で口走ったり、私たちが当然だと考える事実に疑いの眼を向けたりすることができる。

・私たちの大多数は嘘を見破るのがひどく苦手であるという結果だ。平均すると、判定者は54パーセントの割合で嘘つきを正しく突き止めることができた。要は、偶然よりもわずかに高い確率でしかない。

・事件発生後、性的暴行に関する法律のプライバシー規定により、彼女は「エミリー・ドウ」という仮名で呼ばれるようになった。

・血中アルコール濃度がおよそ0.15パーセント以上になると。海馬の活動が止まって記憶が作られなくなる。しかしその間も、前頭葉、小脳、扁桃体はほぼ正常に機能し続けることがあるのだ。

・賛成派は、その方法を「強化尋問技術(EIT)と呼ぶ。反対派はそれを「拷問」と呼ぶ。

・兵士たちの多くは、「まずルールを知り、やるべきことを把握する」という考え方で仕事を進めていました。調査を続けるうちに。兵士たちのストレスの大部分を駆り立てていたのが、「正しい答えが見えない」といった内なる警戒心なのだとわかりました。

・石炭ガスがイギリスの一般家庭に導入されたとき、自殺率は一気に上がった。1960年代後半に天然ガスへの切り替えが始まると、自殺率は急降下する。それから10年の間に石炭ガスが徐々に廃止されると、何千人もの死が防がれることになった。

・ゴールデン・ゲート・ブリッジからの飛び降り自殺は、衝撃的な頻度で起きている。2004年、映画監督のエリック・スティールが橋の両端に1年間にわたってビデオカメラを取りつけて撮影したときには、22人の自殺者の様子が映り込んでいた。

・若者たちは、見知らぬ誰かと会うためにパーティーに自ら進んで参加し、恋愛のスリルを愉しむ。にもかかわらず私たちは、人間が最も必要とする「見知らぬ他人と話す」というタスクをひどく苦手としている。






nice!(0) 
共通テーマ: