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『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する II 自由と闘争のパラドックスを越えて』 [☆☆]

・AIに意志決定を任せた方が民主主義より信頼できる。

・人生の選択をするならいっそデータ奴隷の方が幸せだ。

・ファイスブックがしているのは、あなたの自由を搾取することです。破壊はしていません。

・ホッブズによれば、社会の通常の形態が、闘争ということになります。争いのない状態の方が特殊なのです。これが「万人の万人に対する闘争」という。彼の有名な考え方を支えています。

・社会が個人を生み出す、それがルソーの考え方です。

・アメリカ型資本主義とはホッブズ主義のことであり、ホッブズが著書『リヴァイアサン』の中で描き出していたのは、ある意味、現代アメリカの状況だったと言えるでしょう。

・制服は、平等の象徴です。

・経済学は、本来、家政の学問、家の仕組みを対象として考えるものでした。家の仕組みと社会全体の仕組みを同一視した結果、多くの人々が、社会をまるで大きな家族のように考えている。

・お金とは、社会的な取引を測定する方法なのです。どれくらい本気で欲しいか、ということです。

・お金は、人間の取引について話すことができるコードです。彼はいくら欲しかったのでしょうか? どのくらい私はこのマンションを欲しているのでしょうか? それがマンションの価格です。

・いま多くの国々で多くの人々が、民主主義とは、自分の利益が満たされるように、すべてのことに投票できるという意味だと、混乱が起きてしまっています。それは、民主主義ではないのです。

・知能が限られた時間内にある特定の問題を解決する能力を意味するのであれば、その問題すら発見できないものは、知的ではありえないことになります。問題を持たないモノは、ただのモノです。

・アルゴリズムとは、プロセスをルールによって統制されたステップに分解し、定式化して表現したものです。

・「思考感覚」――思考も感覚の一つであると考えれば他者への姿勢も変わる。もし、人間の思考が感覚だったら?

・プラトンは、思考とは把握することであると述べています。

・人間は、ニューロンと細胞からできている、自らが意識的・知的な存在だと考えるロボットです。

・日本の特筆すべき点は、規範がまったく明文化されていないわけではなく、むしろ非常に目立つということです。このため、これらは外国人である私にとってさえも、非常に可視的です。

・脳は気難しい召使に過ぎない。






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『アイデア大全 創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール』 [☆☆]

・短文を作り、あえて空白を空けて、そこを埋めようとする言葉を召喚する。

・頭の中にあるような気がしていたものは、すぐに消え去ってしまう。書きつけて物質と化した思考のみが、扱うことができる。

・アインシュタインは特に目的もなく言葉や概念を組み合わせて、気に入った組み合わせができると、今度はそれはどういうものかじっくり考えてみる遊びを好んだ。

・ヒトは答えが得られそうになくても「なぜだ?」と問い、単なる偶然が引き起こした場合でも、「たまたまだ」「理由なんてない」という答えではなかなか満足しない。犯人探し、スケープゴート、……心当たりは多かろう。

・組織変革では、暗黙の仮定/前提は、集団内のやり取りやルールとして目に見える形で観察可能であり、また暗黙の仮定/前提に手をつけないままだと変革が骨抜きにされてしまう直接的弊害があるため、こうした仮定/前提を扱う手法が発展した。

・円滑に日常生活を送るには、ほとんど考えることを要しない瞬時の判断をひっきりなしに行わなくてはならない。そして、こうした瞬時の判断は、何らかの仮定/前提を必要とする。たとえば交差点では、車や人は信号を守るものだと仮定している。

・これまで通りでいいなら、必要なのはアイデアではなく、経験であり、よくできたマニュアルである。

・私淑は、ただその人を師と思い定めれば、今ここから始めることができる。

・「彼/彼女なら、どうするだろうか?」は絶えず繰り返すべき、最も長く豊かな問い掛けなのだ。

・人が居そうにない場所に、人の生活を感じさせる「場違いなもの」が落ちているだけで、我々の創造力は作動し始める。それはちょうどオーパーツ(OOPARTS:Out-of-place artifacts)が人の心を波立たせるのに似ている。

・言葉の類似性に基づく呪術は、現在でも健在である。たとえば、古くは「カツを食って勝つ」と駄洒落的に験担ぎしていた受験生は、その後も「カール」(うかーる)、「キットカット」(きっと勝つ)。「コアラのマーチ」(コアラだから木から落ちない)等、次々に新しい呪術を自然発生的に生み出して(あるいは誰かのマーケティングに乗っかって)用いてきた。

・蝶と蛾の違いは、蛾の雄はもっぱらフェロモンに誘われて雌に集まるのに対し、蝶の場合は視覚によっても雌の存在を感知するところにある。

・人は自然に従うだけでなく、そこに自分の恣意を加える自由を持っている。それゆえに、人の生み出す美の多くは蝶の美にかなわない。

・生物学では、ある形態や遺伝子が共通の祖先に由来することをホモロジー(相同性)といい、これに対して生物の種間でそれぞれ別の祖先、構造に由来しているにもかかわらず、機能的・形態的に同じか似た役割を果たす形質が発達してきたことを指してアナロジー(相似性)と呼ぶ。



アイデア大全

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  • 作者: 読書猿
  • 出版社/メーカー: フォレスト出版
  • 発売日: 2017/03/09
  • メディア: Kindle版



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『民間人のための戦場行動マニュアル』 [☆☆]

・実際に機能する危機管理というのは、実はとてもシンプルで、身近なものでなくてはなりません。専門的で複雑なものは、見てくれや響きこそよいものの、頭も体もついていかないものに仕上がってしまう傾向にあります。

・地図はパソコン上だとデータが破壊されたら見ることができなくなってしまうので、紙のものを使うか、プリントしておくべきである。

・ゴーバッグとは、いわゆる非常持ち出し袋のこと。現金などの貴重品やパスポートなどの身分証明書のほかに、何もない状態で最低限3日間は生き延びられるだけの装備を入れ、即座に持ち出せる場所に置いておく。

・サバイバル的状況で、人の命を奪う一番の要素は体温の低下である。よって、野外に放り出されたときに生き延びるためにまず考えるべきことは、自分の体温を保持すること。

・ファーストエイドの基本は止血なので、止血パッドや止血帯、そして消毒薬や包帯が必要である。

・近年、テロリズムの中で特に恐れられているのが、ラミング・アタック・テロと呼ばれるものである。ラミングとは突入するといった意味で、自動車で暴走して人込みに突入。

・よくメッタ刺しにするというが、それは刺す側が興奮したり恐怖を感じたりして無駄に刺しているだけのことである。

・人の暮らしはもちろん毎日変化しているが、それでも、いつもあるものや人、いつも起こること、いつもある音や匂いというのは必ずあるものだ。そういうベースラインを観察し記憶しておくことが、異常を発見するのに役立つのである。

・もし武器を持つのなら、どんな卑怯な手を使ってでも勝たなくてはならない。そして、反撃を防ぐために、相手の意識がなくなるまで攻撃の手を緩めてはならない。

・1基が数十億円といわれるほど高価なため、通常の爆薬を載せて狭いエリアを攻撃するだけに使うのでは費用対効果が低すぎるのだ。もし、弾道ミサイルが飛んでくるとしたら、その価格に見合うだけの被害を与えられる爆弾、つまり核爆弾などの大量破壊兵器が搭載されていると考えるべきであろう。

・口は開けておくこと。これは、爆発の衝撃による気圧の変化から鼓膜が破れたり眼球が飛び出したりするのを防ぐため。

・人が爆弾や銃弾によってバラバラになると、周辺はアンモニア臭に似た臭いに包まれる。

・敵国に占領されている状態であれば、女性は丸坊主にし、できるだけ汚い格好をしていたほうがいい。

・大抵の軍隊であれば強姦は犯罪行為であり、犯罪行為をした兵士は軍の中で犯罪者として裁かれることになる。となると、もし強姦をした犯罪者が犯行を隠すためにはどうするのが手っ取り早いか。答えは簡単で、強姦した相手を殺してしまうことである。

・安定した精神を保つには、次に述べる心構えが必要だ。まず、何も期待しない。そして後悔もしないということ。がっかりするのは、何かを期待するからだし、落ち込むのは後悔するからだ。

・もし人間が50口径の重機関銃で撃たれたら、被弾箇所の大部分は真っ赤な霧となる。数発もらおうものなら人の体は散り跡形も残らない。

・人間が歩くスピードは、大人の男性が歩きやすい舗装道路を進んだとして時速4~5km。1日8時間歩いたとしても40km程度しか進めない。

・人間のシルエットを崩すというのも発見されにくくするコツだ。人間の頭には人のシルエットがインプットされていて、人を探すときは無意識にこのシルエットを探している。

・先端部分や腋、股など人間らしいシルエットを隠す。二足歩行だとわかる脚と脚の間、伸びた首と丸い頭の形、体と手の間の隙間、手足の形など、人間と認識されやすい部分を隠すと発見されにくい。

・コントラストが強い方がいいので、月明かりが少ないときより明るい満月の夜の方が実は隠れる場所は多い。光があるから影ができるのである。

・以前は糖質がエネルギーになるといわれ、マラソンランナーはご飯やパスタなどの炭水化物や甘いものを積極的に摂るといいといわれていたが、今では、炭水化物を制限し脂肪やタンパク質を摂った方がエネルギーが長持ちするともいわれている。



民間人のための戦場行動マニュアル: もしも戦争に巻き込まれたらこうやって生きのびる

民間人のための戦場行動マニュアル: もしも戦争に巻き込まれたらこうやって生きのびる

  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2019/06/17
  • メディア: 単行本



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