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『マンガでわかる 境界認知とグレーゾーンの子どもたち』 [☆☆]

・知的障害はIQが69以下を指しますが、「境界知能」はそこまではいかないものの一定の支援が必要といった人たちです(およそIQ70~84)。こういった境界知能に該当する人たちは人口の約14%いるとされ、学校の35名のクラスに例えると約5名いることになります。

・怖いのは、友達から気に入られるために悪いことをした時、「こうすれば皆が注目してくれるんだ」って学習してしまうことなの。

・嫌なことを断れない優しい子ほど、躊躇しながらも万引きしたりするの。

・他者からのサインを通して、自分は「こんな人間かもしれない」と気付くものです。

・自分を知るためには、他者とのコミュニケーションを通して相手の反応を見ながら、自分にフィードバックする作業を多くこなした方がいいわ。

・特に自分に自信のない子はね、他人から何か言われると、それがたとえ親切心からでも「またバカにされた」って感じたりするの。

・自分の気持ちを言うのに比べたら、他者の気持ちを想像して言うのは比較的簡単よね? だからまず他者の感情を言ってみることで、気持ちを表現することへの抵抗を減らすことからね。

・低学年くらいであれば犬や猫のことをどう思いますか? 大切な友達、でしょう? そう思っている子が動物を虐待するのは、人に対して暴力を振るうのと同じくらい意味があるのです。



境界知能とグレーゾーンの子どもたち

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  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2020/08/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



境界知能とグレーゾーンの子どもたち (扶桑社BOOKS)

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  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2020/08/28
  • メディア: Kindle版



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『庭は手入れをするもんだ 養老孟司の幸福論』

・人をうるさいと思う人では、教育者に向かない。

・教養とは人の心がわかる心

・天才とは僅かに我々と一歩を隔てたもののことである。只この一歩を理解する為には百里の半ばを九十九里とする超数学を知らなければならぬ。

・「九十九里」を真似の部分、残り一里が個性と考えてみるといい。最後の一里は、残りの「九十九里」に匹敵するような重みをもっていて、そこに個性が表れるわけです。

・赤の他人、つまり三人称の死も意味をもっていないということになります。死というのはかならず、親しい人の死、顔や声を知っているような二人称の人の死だけが意味をもちうるということです。

・生きることも三人称の誰かのためではなく、人生は親しい二人称のためにあるのです。

・特攻隊に配属されたものの、辛くも命を落とさずにすんだ人々は、後のインタビューで口をそろえて言います。「まわりのため」「家族のため」「親のため」「将来の子どもたちのため」に死のうとしていたと。国家や天皇という抽象的な三人称のために死のうという気持ではなかったのです。彼らの生は、やはり二人称のためにあったのです。

・いじめの被害者が書いた本では、「先生がこう言った」「親はこうだった」「先輩はあの時こうだった……」「兄弟はああだった……」と、人間関係ばかりが色濃く、克明に書き込まれているのです。人間関係、つまり人事に尽きていて、「花鳥風月の世界」がない。花鳥風月のない世界に生きている人は、全部が人事ですから、世界が半分になった状態で生きていることになり、そこでの刺激は倍になってのしかかってくるでしょう。

・日本人は大きな仕組みづくりが苦手です。仕組みがなくても、多くの事柄では、その場その場で人が超人的に頑張って、なんとかしてきた。

・現代には、日本文化が醸成された頃の貴族や権力者はいません。ふつうの市民ばかりです。

・縄文時代の居住跡には、太い木があったことが知られています。ある時、建築家の藤森輝信さんに、「縄文人は太い木を崇めていたんですか」と尋ねたら、笑われました。「石斧であんなに太い木が伐れますか」と言うんです。つまり、彼らの力では伐れなかったから、集落に巨木があったというわけです。



庭は手入れをするもんだ 養老孟司の幸福論

庭は手入れをするもんだ 養老孟司の幸福論

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2012/12/18
  • メディア: 単行本



タグ:養老孟司
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『老人の壁』 [☆☆]

・だから定年とか、昔は隠居とか、世の中が決めていたんですよね。決めておかないと、いつまでも本人は若いつもりでいて、まわりが迷惑する。

・人のことはかまわず、我さえよからばと思ひて、気のゆるゆるとした人、かならず命長し。

・自分が機嫌よくしてるとまわりもよくなる。だけど、機嫌悪い人ってまわりがよくしてくれなくちゃ、と思っているからなんですよ。

・絵を描こうとすると、まず見方が変わるんです。いつもと同じような見方じゃ何も描けない。

・発見って、自分が変わることなんです。見つける前の自分と、見つけた後の自分は違う。別の人になるんです。

・世間で言われる正解というものがあると思うから、つい後ろの解答ページを見ちゃうようなことをしてしまうわけで。それをやると、もう楽しくない。

・「十桁以上で」とか。そうなると忘れてしまう以前に、思いつかない。

・虫にはね、耳がないんですよ。体のいろいろな部分で音を聞いているんです。

・彼らが言葉を使えない最大の理由は、じつは「絶対音感」なんです。

・昔は子供がよく死んだでしょう。特に可愛い盛りに死なれると、親は「あの子の人生は何だったのか」と思い、その後、子供を見る目が変わってきます。同じような年の子が一生懸命遊んでいるのを見ると、思う存分遊ばせてやろうって、そういう優しさが出てくるんですよ。

・子供に教えるというのは、教えていることの中身じゃないんですよ。子供と真正面に向かっている先生には、子供はついていくでしょう。子供は先生の熱意に反応してるんですね。

・自分そのものを作品と考えて、自分を育てていく。修行って、そういうものでしょう。

・自分というものは、探すものではなくて作るものなんです。

・精神がおかしくなってしまったので、本人のせいではない、っていうような無罪論は必ず出てくる。だから、刑法の考え方そのものを変えなきゃいけなくて、僕は結果論でいいと思っているんですよ。それが平等の扱い方だと思うんですよね。

・温度を下げていくと、ある瞬間に氷に変わる。同じように、無意識の脳活動が、ある瞬間にぽーんと「意識」になる。意識に上がってくるんです。

・哲学者のアランは、「自分は絶対に占いを聞かない。聞いたら影響を受けるから。信じてる、信じてないにかかわらず」って書いてますよ。

・「一億総活躍しろ」なんて、誰かが活躍したら、誰かが突き飛ばされますよ。世のため人のためって無駄に動き回る人、いっぱいいるじゃないですか。

・子供が風邪を引いたりなんかすれば、普通の先生だと必ず抗生物質を飲ませますね。お陰で何が起こったかっていうと、自己免疫疾患です。免疫が適当に抑制されるということが起こらなくなって、どうなるかっていうと、花粉症から始まって、喘息でしょう、あとは1型糖尿病。

・皆さんご存じないのかもしれませんが、家畜は低濃度の抗生物質を必ず使っているんですよ。そうすると、脂肪が増えて肥満になるんです。抗生物質というのは、病気を防いでいるんじゃなくて、生産を上げているんですよ。

・自動車なんか、おかしいと思いません? 人間一人運ぶのに、トンっていう重さの物を何で動かすわけ? まったくの無駄でしょう。

・新兵って、50パーセントは空に向かって鉄砲を撃つっていうんです。それを人に向けて鉄砲を撃てるようにするのが、訓練です。

・普通の人、絵を描かない人は、ほとんど見てないですね。普通の人は、写真を撮って安心するんです。とくに顕微鏡の写真なんかを撮ったら、自分で見ちゃったと思ってるんだけど、ぜんぜん見ていないんです。

・考えることを「一段階」で止める人が多いですね、一段階目の答えを出して、はい終わりっていう。

・意識は「増幅装置」なんですよ。だから、目にはちゃんと全部入ってるんだけど、意識があると一部を増幅するんです。そうすると、他が消えちゃいます。

・ナディアっていう有名な少女がいてね、あの子は自閉症で、それで馬の絵がダ・ヴィンチのデッサンにそっくりだったんです。別に見て描いたんじゃなくて、馬を見て描いてね。そんな能力があったんだけど、そのこ、一生懸命、教育されて、言葉がやっとできるようになったんです。そうしたら、もう、ぜんぜん絵を描けなくなってしまった。



老人の壁

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  • 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
  • 発売日: 2016/03/23
  • メディア: 単行本



老人の壁

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  • 出版社/メーカー: 毎日新聞出版(インプレス)
  • 発売日: 2016/03/24
  • メディア: Kindle版



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