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『神の呪われた子』

・まず自分の耳で聴いてみて、これはと感じたスピーカーを、すこし無理して購入する。背伸びが大事だよ。

・吹いているのかわからないくらいの微風で、気持ちよく背中を押してくれる。

・金は余っているのに、いい品はすくない。それで果てしなく値が吊り上がっているのだろう。

・秘かにお客を差別する。それがサービス業の醍醐味なんだよ。

・ブラームスは奥手で女性と深いつきあいをするのが苦手だった。なにより弾けるように明るい恋や愛の曲が、ブラームスにはないのだ。結局、音楽はすべてを語る。かわいそうなブラームス。

・普通の世界で自分がどう見られるかを、いっさい忖度しない怪物。

・おれは筋者がよく使うという拷問方法を思い出していた。人の心を折るには、自分の血を大量に見せるのが一番だという。だがナイフで刺したら、人はすぐに死んでしまう。そこで革靴のヒールや靴ベラなんかを叩きつけ、肌を浅く破っていくのだ。それこそ全身な。

・二十年ばかり昔に設立された新宗教だった。新宗教の定義は教祖がまだ生きてる宗教ね。

・まあフルーツの世界でもルッキズムによる弊害が根強く残ってるという話。

・テレビやアニメは目から入るから、眼毒。音楽は耳だから耳毒。過度なご馳走やファストフードは舌毒。眼、耳、鼻、舌、身、五識より入りて、人を惑わすもの、これ五毒なり。

・ゲームは意識に働くから意毒だって、絶対やらせてもらえなかった。

・どれほど言葉の力が鋭くても、自分を斬るためにその切れ味を全部使ったらいけないんだ。言葉はいき過ぎるし、切れ過ぎる。

・世の中に出てみてわかっただろ。たいていのやつは、どんな学校を卒業していようが間抜けで、現実の世界よりも自分が信じたい甘ったるい幻を信じている。



神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/09/11
  • メディア: 単行本



神の呪われた子 池袋ウエストゲートパーク19 (文春e-book)

神の呪われた子 池袋ウエストゲートパーク19 (文春e-book)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/09/11
  • メディア: Kindle版



タグ:石田衣良
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『インサイト いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』

・バナナに手をのばすことならどんな類人猿にもできるが、星に手をのばすことができるのは人間だけだ。

・自己認識は21世紀のメタスキルだ。現在の世界における成功にとって極めて重要な各種の力 ――心の知能指数、共感力、影響力、コミュニケーション力、協調力など――は、すべて自己認識がもとになっている。

・多くの人にとって、厳しくつらい真実よりも、自己欺瞞──自己認識と対極のもの――を選ぶ方が楽だ。

・自分が考える自分と、他人が見る自分の差が大きくなってきている。

・私たちは他人の認識不足はすぐに責めるが、自分の認識が欠けているか自問することは(あるとしても)極めて稀である。

・自己認識とは、自分自身と、他人からどう見られているかを理解しようとする意志とスキルのことだ。

・彼が思い至ったのは、自分のために働いている限り、自分は本当の意味で幸せにはなれないということだった。

・変化の風が吹き荒れるとき、ある者は壁を築き、ある者は風車を作る。

・そこに住む子供たちは全員が平均以上だ。「全員が平均以上」という統計的にあり得ない表現を聞いて笑うだろうが、それはこうした思い込みを職場や、教室や、PTAのミーティングや、食料品店や、自分の家ですら、どこでも目にするからだ。

・過去にした予測と実際の結果を比較検証する習慣を身につける。

・20世紀半ばから始まった自己を大切にする運動によって、努力の時代は自尊の時代へと変わっていった。

・利用者の80パーセントが、いわゆる「ミーフォーマー」で、とにかく自分のことを周りへ知らせるために投稿をしている。そして残りの20パーセントが「インフォーマー」で、自分とは関係のない情報(役に立つ記事、興味深い考察、笑える動画など)を投稿する。

・役に立つ問いかけとしては、次のようなものがある。「いま自分に言ったことを、自分が好きで尊敬している人にも言えるだろうか?」

・自分について考えるという行為は、自分について知ることに何の関係もなかった。

・「なぜ」ではなく「何」を問うことは、感情に名前をつけることを迫るものだ。感情を言葉に落とし込むというシンプルな行為は、感情に身を浸しているだけの場合に比べて、闘争か逃避かを指令する扁桃体の活性化を食い止め、それによって自制を保つ助けとなる。

・「なぜ」という問いは基本的に自分の周りを理解する際に役立ち、「何」という問いは基本的に自分を理解する際に役立つ。

・幸せとは宗教と同じように神秘的なものであり、決して理屈づけるべきではない。

・自分にこう問いかけるようにした。「周りの人は、このことを私と同じくらい気にしてる?」答えがノーのとき、彼女は忘れようと試みる。

・人は何もしないより、何かする方を好む。たとえその何かが「不快のことや、かなり苦痛を伴うもの」であってもだ。

・星を眺めるだけでなく、星座表を作る。

・周りが自分をどう見ているかを普段知ることができないのは、ひとつのシンプルな事実による。最も近しい人たちでさえ、そうした情報を進んで伝えてくれることはないという事実だ。

・基本的に、あなたのことはあなたより他人の方が客観的に見ている。

・人はどうしても、厳然たる真実を告げるより、優しい嘘をつきたくなる。

・適切な質問の最も重要な特徴は具体的であることだ。

・私たちが耳にするすべてのものは一つの意見であり、事実ではない。私たちが目にするすべてのものは、一つの視点であり、真実ではない。

・1人からのフィードバックは、一つの視点だ。2人からのフィードバックはパターンだ。だが3人かそれ以上からのフィードバックとなると、事実に近い可能性がある。

・人がヒントを得るのは、自分が見たものや気づいたことからであって、人に言われたことからではないんです。

・ナルシストを見分ける最善の方法のひとつは、あなたはナルシストですか、とシンプルに尋ねてみることだ。たいていの場合、ナルシストは「自分はナルシストだ」と答える。



insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力

insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力

  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2019/06/26
  • メディア: 単行本



insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力

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『教室を生きのびる政治学』

・仲間ときくと「心を通わせる」友人関係をイメージされるが、無理なことは言わない。真心と切り離したところで協力しあえる関係について話す。

・「すべての人間は、世界の歴史にたった一度しか登場しない」と言い換えてみてもよい。取りかえがきかない人という意味だ。

・日本人にとって「言うことを聞く」は。リッスン・トゥー(Listen to)ではなく、「言われた通りにする」という意味になっている。

・政治においては「選んで、決めて、受け入れさせる」という三段階を避けられない。

・僕たちの決め事は、一度やって終わりではない。決め続けるのが生活であり、人生だ。

・立派な人間を基準に、それと自分をぼんやりと比較して、無理に反省して、役に立たない意識高い系みたいなことをしても、世界は1ミリも変わらない。

・自分たちで決めることによって、「人のせいにはできない」という覚悟を持つことができる。

・やるべきは、「どこまでは同じ道を歩いてきたのか = 何についてまでは意見が一緒なのか」を確かめることだ。そして次に「どこで違う道を行こうととしているのか = 何をめぐって選ぶ価値が分かれてしまったのか」を確認することが大切で、それがわかると、本当は「何と何をめぐって意見が分かれてしまうのか」が、話し合う前に比べるとはっきりしてくる。

・各世代において、推定で5~6%くらいは、いわゆるLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニングといった多様な性のあり方)の人が含まれることが前提となった時代だ。

・議論をする目的は、正しい結論を出すことでもなく、勝ち負けを決めることでもなく、必ず「どれが一番、納得感もたらせるか」にかかっている。中立を求めて議論するなどエネルギーの無駄だ。

・ある意見が偏っているかどうかを決めるのは、その内容ではなく、「誰が偏りの基準を決めるのか?」ということになる。そして、そのためのマウントをとることを政治という。

・知的に豊かに大きくなるためには「自分は間違っているのかもしれない」という慎ましい姿勢と、自分の考えを変える可能性のある他者と言葉への誠意がなければならない。

・この世で人を苦しめる、面倒なことを押しつけてくるのは、悪人だけじゃない。けっこう善人が面倒なのだ。

・友だちより「仲間」を。必要なのは親友ではない。

・何かを主張したい時の心のスタートは、あまりふだん意識しないけれど、実は大事なものを失いたくないという気持ちなのだ。

・リーダーとは、リーダーの機能を果たす人という意味だ。それは、「自分たちの置かれている状況を説明して、その条件のもとでどんな選択肢があるかを示して、おのおのの選択をするとどういう結果とコストになるかを理解してもらって、自分はそのどれを選択するかをきちんと示して、君たちはどれを選ぶのかと尋ねる」というはたらきだ。それがリーダーの役割だ。

・「リードする」という言葉の意味のコアの部分は、「何かと何かを結びつける」というものだから、リーダーシップとは、「何かと何かを結びつけるように機能する状態や立場や作法」という意味だ。

・フォロワーは「その他大勢」ではない。フォロワーは「リーダーにひたすら従う人」でもない。フォロワーは「言葉できちんとリーダーをコントロールする」機能を果たすメンバーだ。

・弱いやつが弱いやつに厳しく当たって、弱い者同士がヒドいやりとりをしているのを、誰かが余裕で上から眺めているという切ない図式だ。

・平等という言葉は、人間の感情に何らかのスイッチを入れる言葉で、とりわけ自分が不当な扱いを受けているのではと不安を持つ多くの人にとって、心の波を生み出すものだ。この時、暮らしぶりの苦しい人、弱い立場の人に厳しい態度をとるのは、恵まれた人ではなくて、ちょっとはマシだが、それでもあまり余裕のない人であることが多い。弱者が弱者を叩くのだ。

・金持ち一族が100年かけて築き上げてきた豊かさを、わずかな時間でゲットできる人は、何千万人に一人くらいの幸運な人だ。

・舞台に上がる者が極少だから、いろいろな才能もセンスも発見できない。すると、とんでもなくアホでセンスのないやつの好みで世界が色付けされてしまう。

・知りたいのはほんのちょっとでも楽になるための具体的な方法なんだよ。

・偏見を克服するために一番必要なものは、自分の脳内、身体、精神に染みこんでいる何かを、そしておそらくそれが原因で現れてしまった言葉や行動を、なかったことにしない努力を続けること。

・やれやれ、日本の学校というところは、目の前にいる人間の持つ何かを引き出すのではなく、何かのスタンダードに合わせることを教育だとして、大量にいる子供たちに小中高と12年ぐらいずっと結果的にはダメ出しをするという、じつにモッタイナイことを延々とやり続けてきたのではないか?

・自己責任などというものが問題になるのは、自分に「自由に選択することができた場合」のことであり、そうでない場合には問う必要も意味もないものだ。

・大切なのは、「誰にも迷惑をかけない人間になること」ではなく、自分の非力と未熟と無力をきちんと受け入れて、その上で「他者に適切に助けを求める決断のできる人間」になること。

・これまで、大勢の人たちがそろいもそろって間違った判断をしたときは、それはたいてい誰かによる悪だくみのせいではなく、みんなが不安な気持ちに耐えられなくなったからだ。

・「人の頭をかち割る代わりに、人の頭数をそろえて(仲間を作って)、間違えたらやり直す」というゆるふわシステムのおかげで、成長の歴史でいえばまだ幼稚園の年少さんにすらなっていないにもかかわらず、民主主義は現在のところ、人がヒドい理由で政府に殺される率が一番低いシステムとなっているのだ。

・ナチス・ドイツ、ファシスト・イタリア、そして大日本帝国と、世界中を敵にまわして戦争をして、とてつもない数の人間を死なせてしまった国は、みんな民主主義が未成熟なだった国、その面倒くささ、サクサクとものごとが決まらないグダグダに耐えられなくなった人たちが楽になろうとジャンプしてしまった国ばかりだ。

・光を当てないと、本当はもう存在している、すでにちゃんとできること、できているのだということがまわりにも本人たちにも気づかれないのであって、それはお宝の持ち腐れだからモッタイナイ。

・キツいなら、学校なんか行かなくていいぞ。理由はじつにかんたんだ。学校などというところは、人間が命をかけて行くような場所ではないからだ。

・変わるためには、幸福なきっかけと目の覚めるような優れた言葉に出会うだけではなく、常に「そうじゃないかもしれないではないか?」と疑い続けるための体力が必要なのだ。



教室を生きのびる政治学 (犀の教室 Liberal Arts Lab)

教室を生きのびる政治学 (犀の教室 Liberal Arts Lab)

  • 作者: 岡田憲治
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2023/04/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



教室を生きのびる政治学

教室を生きのびる政治学

  • 作者: 岡田憲治
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2023/04/25
  • メディア: Kindle版



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