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『人生に、上下も勝ち負けもありません』

・「上り坂の儒家、下り坂の老荘」という言葉があるほどです。物事がうまく運んでいるときは、孔子の教えに従って、厳しめに自らを律していくとよい。しかし、人生が下り坂で、いまいち元気がない。そんなふうに行き詰っているときは、老子特有の「ゆるさ」や「自由気ままさ」に寄り添ってみてはどうか。

・「あ、昆布の味だ」と言われてしまうようでは、「いい仕事」とは言えません。「なんかおいしいね」と言われてはじめて成功です。

・老子哲学の中でも重要な概念の一つが「所詮、物事は相対的」というものです。

・「美しい、醜い」「正しい、正しくない」「勉強ができる、できない」「地位が高い、低い」など、どれも他人がいてはじめて成立する相対的な価値であって、たいしたことない。

・「長短」も「善悪」も「高低」も、お互いの比較から明らかになる概念です。自分がどんな環境にいて、どんな人たちが周りにいるかによって、評価、価値はコロコロと変わってしまうもの。

・余計なことは何もしないで、焦らずに、「味気ない生活」をただ味わって暮らしていく。

・派手に動き回って、自分の活躍をアピールしまくる人生もあれば、ナマケモノのような「ほとんど何もしないかのように生きる」という人生もある。本当の意味で幸せな人生を送れる人というのは、自分のペースを知っている人です。

・「辛いことに直面した」という事実そのものより「それがいつ終わるのかわからない」という、先の見えない不安や絶望感がより苦しいのです。

・「何に対しても楽しさを感じられない」という症状・状態を、精神医学的に「アンヘドニア」といい、精神疾患要件の一つになっています。

・人生や仕事が楽しめるなら、それもよし。一方で、楽しめないからといって、とりたてて問題はない。

・世界のことをよく知っていて「日本に向けて、世界のことを語る人」よりも、日本のことをよく知っていて「世界に向けて、日本のことを語れる人」の方が、よりグローバルだという考え方もあります。

・知ったかぶりは結局ボロが出る。知っていても「知らない」と言うのが謙虚な人間である。

・知りて知らずとするは上(じょう)、知らずして知るとするは病(へい)なり

・そもそも「自分は知っている」というのも、それがどのレベルでの理解なのかを考えたら怪しいものです。

・「わかっている」と思い込んでいるほど「無知」なことはありません。

・老子の唯一の著書である『道徳経』は。わずか5000文字ほどから構成されている薄い本でありますが、美しい詩のような文体は文学作品としても白眉だと感じました。



人生に、上下も勝ち負けもありません 精神科医が教える老子の言葉

人生に、上下も勝ち負けもありません 精神科医が教える老子の言葉

  • 作者: 野村総一郎
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2019/04/05
  • メディア: Kindle版



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  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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