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『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』

・食事に使う食器のサイズを小さくすることが、様々に提案されて流行していくダイエット法や意志の力よりも、有効である。

・象に指令することはできるが、それは象が自分自身の欲望を持たない時だけだ。象が本当に何かをしたいと思ったら、私はもはや彼にかなわない。

・我々が悪感情を抱く様々な学校の諸要素は、自己コントロールが苦手で環境依存的なシステム1を安定させるために必須の要素である。

・だいたい「やる気」を起こして行動を生み出そうなんてのは、スピードメーターの針をひっぱって自動車を加速させるようなものだ。

・やる気から行動が生まれるんじゃなく、行動からやる気が生まれるんだ。

・学ぶことは結局のところ、自分のバカさ加減と付き合うことだ。つまり、より長く学ぶことは、それだけ長く自分の頭の悪さに直面し続けることだし、より深く学ぶことは、それだけ深く自分の間抜けさと向き合うことだ。

・これは問題(症状)をあえて生じさせるよう指示する(処方する)もので、例えば指の震えが止められない人に「もっと手を震わせて」と求めるのがこれに当たる。

・一冊の書物をただ読むだけでなく、他人にもわかるように文章化することは、何よりも理解を助け深める。一人会読の要約(レジュメ)はぜひともネット上に公開すべきだ。

・検索エンジンは実のところ、何かを探すツールではない。インターネット上に浮遊する情報をふるいにかけるフィルターに過ぎない。考えなしに思いつく検索語でフィルターできる範囲では、有用な情報を濾し取るのに役に立たなくなったというに過ぎない。

・古典とは、単に古い書物を言うものでも、時代を超えた真理なんかを蔵している書物のことを言うのでもない。古典とは、多くに注釈書が書かれてきた書物のことを言う。

・百科事典にはあなたが知りたいようなことは書いていない。むしろ、あなたが知っているべきことが書いてある。

・日本の小学校から高等学校の授業で使われているものも「教科書」と呼ばれるが、あれは正確に言えば「授業書」である。授業で使われることを前提としたもので、教師がいろいろ補完しないと「完成」しない書物である。

・新聞購読は、ほぼ同一の内容の情報が同じ国内の人たちにほぼ同時に読まれ消費されるという事実によって、しかもそのことに読者が自覚的であることによって、国民を単一の共同体と見なす<国民>意識の形成に関係した。

・過去とは、二度と省みられない廃棄物なのではない。それは我々の現在を支える大地なのだ。

・人文知が取り組むべき任務、人が忘れたもの(あるいは忘れたいもの)を覚えておき、必要なら掘り起こして、現にあるものとは異なる世界の在り方を示す。

・俗悪なリアリズムや、まず殺人ありきの推理小説が降臨するには、多くの人々が書物を所有でき、かつ共同体的紐帯から個人の解放が進む中、読書を一人で楽しむことができる時代を待たなければならなかった。

・「難しいからわからない」と言う奴は、それまでに学んだやさしいことをまったくか、あるいは苦労して思い出さなくてはならない程度にしか覚えていないことが多い。

・理解は最高の記憶法である。理解するという覚え方は忘れにくく、記憶した事項を再生しやすく、また応用しやすい。

・無人島では言葉はいらない。我々がどうしても言葉を話さなくてはならなくなるのは、自分一人ではどうしようもなくて誰かに何か頼みたい時だ。



独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

  • 作者: 読書猿
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2020/10/21
  • メディア: Kindle版



独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

  • 作者: 読書猿
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2020/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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