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『監視資本主義』

・わたしたちは前例のないものに出会うと、なじみのあるレンズを通してそれを理解しようとするが、それでは相手の本質が見えなくなる。古典的な例は、「自動車」を初めてみた人々が、それを「馬のない馬車」と呼んだことだ。より悲劇的な例は、先住民とスペイン人征服者との遭遇に見られる。

・地図が帝国を創造した。侵略しようとする地域を効率的に「懐柔し、文明化し、開発する」には地図は欠かせない。制御するには、場所と人を知っておく必要がある。

・わたしたちは何かが事実だと語ることで、それを事実にする。

・分業の最も驚くべき効力は、生産高を上げることではなく、分割された集団を連帯させることだ。

・もっとも発達したテクノロジーは消えゆく運命にある。それは日常に入り込み、やがて見分けがつかなくなる。

・未来を予測するには、裕福な人々が何を持っているかを観察すればよい。なぜならそれは中流階級や貧困層が欲しがるものだからだ。

・新たな必需品を求める人々の渇望は、強奪のチャンスだ、

・自由という考えそのもの(および、自由主義社会のあらゆる教義)を否定し、人間の尊厳は利己的なナルシシズムの産物に過ぎない、と言い切った。

・一般市民は『自由と尊厳を超えて』をベストセラーにしたが、「個人の自由を保護し拡張することよりも重要な文化的課題がある、というスキナーの主張を、きっぱり否定したのだった。

・約束を守ることは、未来に対する権利をこの手に握ることなのだ。約束するというのは、未来を予測することだ。意志の力でその約束を果たせば、予測は事実に変わる。

・実のところスターリンは、1930年から亡くなる1953年までの間に、タイム誌の表紙を10回も飾った。

・人間は、個体であれ集団であれ、「無数の生物の中の一生物」にすぎず、レタスやヘラジカやシャクトリムシとの違いは複雑さの程度だけなのだ。

・環境が行動を決めるが、どうやって決めるかをわたしたちは知らず、その知らない領域を自由という幻想で満たしている。

・現実の全世界の生活では、個人の差異は、すべての人間の類似性に比すれば、無に等しい。

・何かが無料の場合、あなたは客ではない。あなたは商品なのだ。

・運転する時、人間は自分の過ちからは学ぶが、他人の過ちから学ぶことはめったにない。したがって、集合としての人間は、何度も同じ過ちを犯す。その結果、毎年数十万人が交通事故で亡くなっている。

・人が新しい行動を採用する最大の要因になるのは、仲間の行動である。

・政治的見解から聴きたい音楽の選択に至るまで、人間の行動の大半は、どうすれば素敵(クール)か、……他の人はどうしているかによって決まります。

・ある研究は、テレビが社会に普及すると、消費財に対する意識と欲求が目覚め、窃盗犯罪が増えることを発見した。

・「地獄は他の人々」という有名な認識にたどり着く。これは人間不信の表明ではなく、むしろ、「他者」が常に「見ている」限り、自他のバランスを適切にとることができない、という気づきである。

・すべてのユニコーンにはそれを追うハンターがいるものだ。

・最高の製品が勝つわけではない。誰もが使うものが勝つのだ。



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『変質する世界 ウィズコロナの経済と社会』

・社会が健康寿命を求めるとき、置き去りにされるのは「何をして生きるか」「何のために生きるのか」という問いです。

・日本企業のうち大企業はほんの一握りで、99.7%は中小企業です。その中でも小規模事業者が85%、中堅企業が15%です。

・小規模事業者の雇用者数は全体の2割ほどにすぎず、46%の日本人は中堅企業で働いています。

・日本には小規模儀業者が約305万社もありますが、その平均社員数は3.4人にすぎません。企業の規模が小さいほど生産性は低くなり、イノベーションは生まれず、所得水準は低く、女性が活躍しにくい。

・日本が世界5位の国際競争力を持つにもかかわらず、生産性で28位に甘んじているのは、小規模事業者が多すぎるからにほかなりません。

・なぜ彼らは、イノベーションを起こせないのだろうか。それは組織の規模が大きいからだ。従業員は朝起きて、家でゆっくりとコーヒーを飲み、車でオフィスに向かうが、こうした余裕ある生活に本当のイノベーションが起こる条件は存在しない。

・人々に協力と行動変容を求めていくには、科学的知見を平易な論理で語る力、そして弱者への目配りを怠らず、論理だけでなく感情にも訴えるリベラルアーツ的な識見・能力も必要である。

・自分の頭で考えることを放棄すれば、際限なくお上に判断を迫ることになり、それは最終的には全体主義やファシズムに行きつきます。



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