『お金持ちになれる黄金の羽の拾い方2015』 [☆☆]
・「知識社会」あるいは「情報化社会」では情報は瞬時に共有されていきますが、万人がそれを活用できるわけではありません。
・殺人の方法をマニュアル本にすれば反社会的として批判されますが、ミステリーの中で微に入り細を穿って殺人の場面を描写してもなんの問題にもならず、かえって評価されることもあります。
・市場経済では利益は差異から生じます。
・信用取引をしたことのない人が空売りを直感的に理解することは困難ですが、簡単にいうと、高く売って安く買い戻す取引のことです。
・友人から借りた本を古本屋で売ってしまった。「返してくれ」といわれたので、同じ本を古本屋で購入し返却した──。信用取引の空売りというのは、要するにこういうことです。
・その気になれば誰でも利用できる歪みがあります。それが「社会制度的な歪み」です。そのための条件はただひとつ、自営業者(または中小企業の経営者)になって「個人」と「法人」のふたつの人格を使い分けることです。
・戦後の日本社会のさまざまな制度がサラリーマン(+公務員)を基準につくられてきたからです。その結果、サラリーマンでない人たちを平等に扱うことができなくなり、そこから制度の歪みが生じたのです。
・2011年の東日本大震災と福島第一原発事故でもっとも大きな経済的被害を受けたのは、マイホーム(不動産)以外に資産を持たないごく普通の人たちでした。「タマゴをひとつのカゴに盛る」ことのリスクをこれほど明確に示す出来事はありません。
・住宅ローンを借りている人の多くは、自分がハイリスクな投資をしているとは考えていません。極端な場合は、何千万円ものローンを組んでいながら、「自分は借金はしていない」と真顔でいうことすらあります。なぜならこの人たちは、ローンの返済を積立貯金の一種と考えているからです。
・法人を持っていると、個人資産を自分の法人に貸す、ということができます。これは立派な融資ですから、ちゃんと金利を取ることができます。
・BSEが発生すれば、売り物にならない国産牛肉を国が補助金で買い上げてくれます。その他の在庫と一緒に税金で引き取ってもらえば、何もしなくても儲かります。
・国が補助金や助成金の制度をつくると、密に群がる蟻のように、そこに人が集まってきます。働かずに儲かれば、これほどいいことはないからです。
・消費者金融の金利が高すぎると批判する人がよくいますが、法律で強制的に金利を下げれば、リスクの高い人が融資対象から排除されることになります。消費者金融から排除された人は闇金融に流れますから、かえって被害者は増えます。規制を強化すれば社会はよくなるという、典型的な誤解です。
・役所では、ルールに則って行なわれたことは、仮にそれが失敗であっても担当者の責任が問われることはありません。ルールは政治が決め、結果もまた、政治が責任を負うべきものだからです。役人はルールに従うのが仕事で、勝手な判断は許されません。
・世の中には、高いコンサルタント料を取ってこうした抜け道を教える人がいます。しかし、この程度のことをいちいち他人に聞いていたのでは前途は明るくありません。
・裏金では、不動産を購入したり、株式に投資するような、証拠の残る使い方ができません。最後には、貯まった裏金を持て余すようになります。
・裏金はその性質上、散財を運命づけられています。80年代のバブル期がそうでしたが、巨額の裏金が消費に回ることで、経済は活性化します。
・日本の企業はほとんどが4月から翌年3月を1期としているので、中小の法人もそれに合わせて3月決算にするところが多いようです。これはもちろん、決算の集中で税務署のチェックが甘くなることを期待しているからです。
・バックオフィスの仕事は、同一労働同一賃金の原則が徹底しています。年齢が上でも、仕事の内容が同じなら若い労働者と同額の給与しか支払われません。
・日本の会社ではスペシャリストとバックオフィスが未分化なまま、仕事の内容にかかわらず正社員が「サラリーマン」と呼ばれるようになりました。彼らは自分の専門がなく、職業を訊かれたら会社名を答えるしかないのです。
・欧州の移民問題は人種差別だけでは説明できません。そこで戦わされているのは、家庭内で女性を差別するなど、近代の価値観(人権と男女平等)を受け入れず、封建的な文化や宗教に拘泥して市民社会に貢献するつもりもない人々にも等しく福祉は与えられるべきか、という政治論です。
・彼らにとって、人間であるか否かの境界は、残飯を漁るかどうかで決まります。
・殺人の方法をマニュアル本にすれば反社会的として批判されますが、ミステリーの中で微に入り細を穿って殺人の場面を描写してもなんの問題にもならず、かえって評価されることもあります。
・市場経済では利益は差異から生じます。
・信用取引をしたことのない人が空売りを直感的に理解することは困難ですが、簡単にいうと、高く売って安く買い戻す取引のことです。
・友人から借りた本を古本屋で売ってしまった。「返してくれ」といわれたので、同じ本を古本屋で購入し返却した──。信用取引の空売りというのは、要するにこういうことです。
・その気になれば誰でも利用できる歪みがあります。それが「社会制度的な歪み」です。そのための条件はただひとつ、自営業者(または中小企業の経営者)になって「個人」と「法人」のふたつの人格を使い分けることです。
・戦後の日本社会のさまざまな制度がサラリーマン(+公務員)を基準につくられてきたからです。その結果、サラリーマンでない人たちを平等に扱うことができなくなり、そこから制度の歪みが生じたのです。
・2011年の東日本大震災と福島第一原発事故でもっとも大きな経済的被害を受けたのは、マイホーム(不動産)以外に資産を持たないごく普通の人たちでした。「タマゴをひとつのカゴに盛る」ことのリスクをこれほど明確に示す出来事はありません。
・住宅ローンを借りている人の多くは、自分がハイリスクな投資をしているとは考えていません。極端な場合は、何千万円ものローンを組んでいながら、「自分は借金はしていない」と真顔でいうことすらあります。なぜならこの人たちは、ローンの返済を積立貯金の一種と考えているからです。
・法人を持っていると、個人資産を自分の法人に貸す、ということができます。これは立派な融資ですから、ちゃんと金利を取ることができます。
・BSEが発生すれば、売り物にならない国産牛肉を国が補助金で買い上げてくれます。その他の在庫と一緒に税金で引き取ってもらえば、何もしなくても儲かります。
・国が補助金や助成金の制度をつくると、密に群がる蟻のように、そこに人が集まってきます。働かずに儲かれば、これほどいいことはないからです。
・消費者金融の金利が高すぎると批判する人がよくいますが、法律で強制的に金利を下げれば、リスクの高い人が融資対象から排除されることになります。消費者金融から排除された人は闇金融に流れますから、かえって被害者は増えます。規制を強化すれば社会はよくなるという、典型的な誤解です。
・役所では、ルールに則って行なわれたことは、仮にそれが失敗であっても担当者の責任が問われることはありません。ルールは政治が決め、結果もまた、政治が責任を負うべきものだからです。役人はルールに従うのが仕事で、勝手な判断は許されません。
・世の中には、高いコンサルタント料を取ってこうした抜け道を教える人がいます。しかし、この程度のことをいちいち他人に聞いていたのでは前途は明るくありません。
・裏金では、不動産を購入したり、株式に投資するような、証拠の残る使い方ができません。最後には、貯まった裏金を持て余すようになります。
・裏金はその性質上、散財を運命づけられています。80年代のバブル期がそうでしたが、巨額の裏金が消費に回ることで、経済は活性化します。
・日本の企業はほとんどが4月から翌年3月を1期としているので、中小の法人もそれに合わせて3月決算にするところが多いようです。これはもちろん、決算の集中で税務署のチェックが甘くなることを期待しているからです。
・バックオフィスの仕事は、同一労働同一賃金の原則が徹底しています。年齢が上でも、仕事の内容が同じなら若い労働者と同額の給与しか支払われません。
・日本の会社ではスペシャリストとバックオフィスが未分化なまま、仕事の内容にかかわらず正社員が「サラリーマン」と呼ばれるようになりました。彼らは自分の専門がなく、職業を訊かれたら会社名を答えるしかないのです。
・欧州の移民問題は人種差別だけでは説明できません。そこで戦わされているのは、家庭内で女性を差別するなど、近代の価値観(人権と男女平等)を受け入れず、封建的な文化や宗教に拘泥して市民社会に貢献するつもりもない人々にも等しく福祉は与えられるべきか、という政治論です。
・彼らにとって、人間であるか否かの境界は、残飯を漁るかどうかで決まります。
お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ
- 作者: 橘 玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: 単行本
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- 発売日: 2014/10/10
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