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『武士道ジェネレーション』 [☆☆]

・「平和ボケ」っていうのかもしれないけど、ある意味、ボケられるほど平和だなんて、こんな幸せなことはないと思うよ。

・鍔迫り合いをダラダラと続けてはならない、相手が他に、どんな武器を隠し持っているかは分からないのだから、相手の動きを制するまでは、距離をとって戦うべし。

・「ツキでビビるな、恐怖を飼い慣らせ、自分のものにしろ」なんて、いま思えばけっこう偉そうにいってた。

・自分でもツキを使いこなせ、恐怖を与える側に回れ。

・悲しいかな、守りたいという気持ちだけで何かが守れるほど、この世界は綺麗事では成り立っていない。……人が何かを守ろうとするとき、必ず必要となるのは、力だ。圧倒的な力。それでいて暴走しない、抑制的な、禁欲的な、どこまでも制御され、研ぎ澄まされた、力だ。

・剣道における「理合」とは、「こうすれば打てる」あるいは「打てない」という、剣道家それぞれが持つ理法というか、法則、必然みたいなもの。

・フェイントというのは、「こうしたらこう勘違いするだろう」という、共通認識があって初めて意味を持つわけで。そういう共通認識がない相手、たとえば外国人なんかには通じにくい部分もあるんだろうな。

・剣道は格闘技だから力の強さは一つの長所になる。ただし、力に頼っているうちは上達しない。一方に力を入れるということは、反対には急に動かせないということ。それはどんな格闘技だろうと、他のスポーツだろうと一緒だろう。

・世のためを思い、他人を敬い、精進を怠らない。人はこの三つを守っていれば、どこででも、どんな時代でも、生きていける。

・日中は出入り口の施錠をしないし、窓もよく開け放っているし。確かに家のあちこちに木刀を用意してあるから、泥棒が入ってきても撃退できるのかもしれないけど、用心ってそういうことじゃないんじゃないかな、って気はする。

・あたしが子供の頃とは、もはや平均気温が違うのだ。今のこの時代にエアコンなしで稽古なんかしたら、冗談でなく死人が出る可能性がある。

・そもそも剣は暴力だ。他人を傷つけ、死に至らしめる。そういう力だ。しかし、その暴力を封じようとしたら、それを上回る力が必要なんだ。その暴力を凌駕する力を以て、相手を傷つけることなく、暴力のみを封ずる。それこそが武道だと、あたしは信じている。

・生半可な力では駄目なんだ。上辺だけの正義感じゃ駄目なんだ。

・やればできる。強いていうならば、、今まではそれを避ける稽古ばかりしてきたが、今度は、相手に避けられないように攻撃するという、一段上の発想に切り替えなければならない。そこが大きな違いではある。

・目指すことに意味はあります。ただ、実戦の場に完全な結果を求めるのは、無理があるかと。



武士道ジェネレーション

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  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/07/30
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