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『英語独習法』 [☆☆]

・「わかりやすく教えれば、教えた内容が学手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想である。

・ブロッコリーが可算か不可算かは、話し手が、その文脈で、今は「数えることに意味がないかたまり」と見たいか、「一つ一つを別個の個体」として見たいかによって決まる。

・英語を母語とする幼児は、名詞が可算の形で使われていたら個体に対応し、不可算の形で使われていたら物質に対応する、という対応づけを先に学び、それを使って、知らない名詞の意味を推論する。

・子供や外国の人がヘンなことばの使いかたをすれば、大人の母語話者はすぐにヘンだとわかる。しかし、自分が「なぜそれをヘンだと思うのか」わからない。

・ある単語を適切に使うためには、それと一緒に使われる単語についての知識が欠かせない。一緒に使われる単語を「共起する単語」あるいは「共起語」とよぶ。

・英語学習で大事なのは、無理をしすぎず、とにかく続けていくことで、頑張りすぎて三日坊主に終わるのが一番よくない。

・英語の文献をどんなに読み込んですらすらと読めるようになっても、書く練習をしなければ、書けるようにはならないのである。

・最先端の情報は英語で書かれていることの方が多いので、英語を苦痛なく読めて情報を読み取ることができれば大きなアドバンテージとなる。

・自由に英語を話したり書いたりするには、「頭の知識」を「身体の知識」にしなければならない。「覚えた」単語を自在に使うためには、その単語を使ってたくさんの文をアウトプットする練習が必要だ。

・英語スキーマはライティングの練習で作っていくことができる。

・英語は先生に教えてもらうもの、教えられたことを暗記するもの、という意識で学習している限り、伝えたいことを自在にアウトプットすることができる本当の英語力は身につかない。

・人は外界にある情報を全部取り込んで情報処理をすることはできない。そこが大量の情報を取り込み、がむしゃらに処理できるAI(人工知能)との大きな違いだ。

・機械(AI)はlearnできるがstudyはできないのである。



英語独習法 (岩波新書)

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  • 作者: 今井 むつみ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
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英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860)

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