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『ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺4』 [☆☆]

・喧嘩にあけくれたが、真剣に相手を傷付けようと思ったことは一度もない。ましてや殺そうなんてとんでもない。ビビらせたほうが勝ち……あのころは、そんなままごとのような喧嘩ばかりだった。

・師匠のそばにいるうちに、意識するしないにかかわらず、いつのまにかその芸のうちの幾分かを引き継いでいる。それと自分の工夫を混ぜあわせて、半分古く半分新しい芸がそれぞれに成立していく。

・日本で有名な幽霊というと、「四谷怪談」のお岩さん。「牡丹灯篭」のお米、お露のご両人。そして「播州皿屋敷」のお菊さん。

・音楽もお笑いも、勝つか負けるかや。負けたやつは、リベンジするか、ステージを去るか、ふたつにひとつなんや。

・客は、自分が傷つかないかぎり、多少の返り血は喜ぶもんさ。

・噺家にとってネタは命である。高座にかければ金になる。死ぬまで目減りしない財産なのだ。

・落語ゆうのは、なんぼ笑わせるネタでも、そこに人情がある。せやさかいに、何遍か聴いてるうちに、笑いは減っていっても、ホッとする気持ちとか、なんとなくおもろい気持ちは残るやろ。それが、最近の漫才とちがうとこや。

・詐欺商法は、現在、世間に横行しています。引っ掛からないようにするには、「甘い話に乗るな」ということです。それでも連日、被害者が続出。なぜなら、引っ掛けたほうに、確かな収穫(臭覚)があるからです。

・ひとりで喋って、ひとりで気分よくなっている。でも、本人はふたりで同等に会話をし、ときには議論を戦わせているとまで思っている。相手がぜんぜん見えていないのです。

・落語はひとりでやるものだ。しかし、ふたり、三人、四人……百人でも二百人でも、どんな大人数でもそこに存在させることができる。客に、それを感じさせることができる。それはひとりだからだ。これが漫才のようにふたりでのやりとりだと、そうはいかない。



ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺 4

ハナシがうごく! 笑酔亭梅寿謎解噺 4

  • 作者: 田中 啓文
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/02/26
  • メディア: 単行本



タグ:田中啓文
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