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『狼と香辛料 11 Side Colors 2』 [☆☆]

・統制の取れていない町や村というのは、混沌とした活気に満ちるか、みすぼらしさにまみれるのかどちらかで、この村は後者らしい。

・町は他の町と、村は領主の館と道がつながって初めて存在することができるという。

・いちいち全てを説明する手間を省けるのはそれだけで素晴らしい利益だ。

・老人から好印象を得たければ、その話をじっくり聞いてやることだ。

・記憶は間違えることが大いにある。しかし、文字はそうではない。揉めた時に勝つのは、いつだって文字なのだ。

・物と物が交換されるだけで利益は勝手に生まれてくる。わざわざ搾らなくても滴ってくるのなら、なめるだけでいい。

・人が嫌がること、喜ぶことを本人以上に熟知しているところがある。それが商売をうまくいかせる秘訣だと言う。

・一番手になる必要はありません。本当に儲かる商売ならば、二番でも三番でも、十分でございます。

・分け与える前に蓄えよ。

・騙されないためには、相手が話している間に相手の言いたいことを全て把握して、喋り終わるまでにその対策を練らなければならない。

・人間、大きな儲けを夢想すると、それに対していくらでも危険を冒してしまいがちです。商いとは長く続いてこそのもの。危険は常に避けなければなりません。

・おっかなびっくりでも前に進もうとされている方を手取り足取り導いていては、せっかくの足が萎えてしまいます。

・相手が落ちるかどうかは、別れ際にかかっているのです。思わせぶりな態度を取って、一晩中自分のことしか考えられないように。

・努力すれば必ず相手に勝てるのとは反対に、生まれつき賢い子供でも努力しなければ勝てないということだ。その自信こそが、商人たちのあの、貴族などはもとより王ですら馬鹿にしている節のある、たくましさにつながるのだろう。

・修道士だって、自分たちが救われたい、さもなければ誰かを救いたい、という欲は捨てないと思う。

・彼らには、誇りも信仰も、友情や親愛の情すら犠牲にして進みたいと思う、その道の先にあるなにかが見えているというその事実。決してまともな人間ではないが、恐ろしいほど優秀な彼らを駆り立てるほどの、なにか。どんな不幸も苦しみも受け入れるだけの価値があるという、その先にあるなにか。

・このままむしられ、盗られ、足蹴にされ、泥にまみれたまま生きていくのか、さもなくば自らの力で立ち、歩いて進んでいくのか。

・叱られた犬は、怯えながらも視線をそらせない。

・一つのことを悟った。慈愛に満ちた目と、軽蔑に満ちた目は、本当に薄い紙一枚で隔てられたものなのだと。なぜなら、相手に優しく手を差し伸べるのは、その相手のことをなにもできない弱い者だと認めるからだ。

・世の中は無慈悲で、人は不親切で、損得が絡めば信用すら裏切りに変わる。



狼と香辛料〈11〉Side Colors2 (電撃文庫)

狼と香辛料〈11〉Side Colors2 (電撃文庫)

  • 作者: 支倉 凍砂
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2009/05/10
  • メディア: 文庫



タグ:支倉凍砂
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