SSブログ

『少女不十分』 [☆☆]

・作家は物語を作る。が、作家志望者は、嘘をついているだけなのだ。

・好きなことを仕事にするのは苦痛に繋がるケースも多いけれど、しかし、得意なことを仕事にできるというのは、普通に幸せで、恵まれていることだと思う。

・身分の証明は、もっぱらパスポートで行っている。十年間更新が必要ないという点において、かの身分証明書を重宝しているのだ。

・何か事故が起こるたび、一斉に始まる野次馬達の写真撮影会にはうんざりすることが多い。

・誰だって、どんな高潔な人物だって、他人の死よりも、自分の擦り傷のほうが痛いはずだ。

・どんな高価なものでも、たとえ修理に出したほうが安上がりであっても、ものが壊れたときは新しいものを買い直してしまう。壊れるまで使って、壊れたらそれが寿命という考え方だ。

・心理学的な解釈では、「座る」という行為は、たとえ一時的であれ、そこを自分のテリトリーとして認めたということになるらしいのだが。

・「こんな状況であっても学校に行くことができる」のではなく、「こんな状況であっても学校に行かないことができない」のだ。

・ゆとり教育というのは、実際にはそれほど極端なものではなかったらしい。円周率をおおよそ3だと教えていたとか、あの辺はほとんど都市伝説に近いとか……、まあ、社会の変化は、そこに属していないグループには面白おかしく伝わってしまうものなので、デマや誤解はつき物なのだが。

・人の失敗を見て見ない振りをするのが、社会でうまくやっていくコツだ。

・さぞかし楽しかったんだろうな。子供に、できないことをやれって言うのは。

・世間で語られる「お話」はどれもこれも、僕達みたいな人間には冷たくて、正しくあれ、強くあれ、清らかであれ、一般的であれ、まっとうであれと語りかけてくる……みんなと仲良くやれと、他人を思いやれと、ある階層の人間にとってはできもしない無理難題を要求してくる。

・きみの本質は、確かに生きていく上では隠さなくてはいけないものだけれど、でも、恥じなくてはいけないものでは決してない。

・人を信じられない人間は、人の上に立つべきではない。



少女不十分 (講談社ノベルス)

少女不十分 (講談社ノベルス)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:西尾維新
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0