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『魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿』 [☆☆]

・ほんとうに弱い人や困っている人たちに対しては、あんがい打算ぬきで親切にする。邪悪にふるまっても、張りあいがないのだろうか。

・軍事国家というものは、膨大な軍事機密をかかえこみ、その重さで崩壊してしまう。

・貸しをつくって恩に着せるのは、資本主義社会の鉄則よ。

・針葉樹のタイガには、ダニも蚊もいないけど、広葉樹にはいるから気をつけてください。なぜ針葉樹のタイガに蚊やダニがいないのかというと、樹から発散される殺虫成分のせいらしい。

・「北極の氷がとけるとシロクマが生きていけなくなる」と主張する人たちがいる。何千年も前の温暖期には、シロクマはどうやって生きていたのだろう。

・中国の富裕層は全人口の一割しかいないというが、それでも日本の総人口とおなじだし、今後はますます増える。

・おカネは善良で正しい人のもとに集まります。逆に、悪人のもとからは逃げていきます。つまり、金持ちは正義の人であり、貧乏人は悪人なのです。慈善とか福祉とかいって、貧乏人を救うのは、神の御心にそむき、悪をたすけることになるのです。貧乏人をどんどんへらし、悪を滅ぼさねばなりません!

・「医者にかかるおカネがないのは、本人の心がけが悪いからよ! 保険制度で貧乏人を助ける必要なんかないわ!」という声のもと、アメリカの乳幼児死亡率が先進諸国のなかでとびぬけて高い原因となっている。

・中東やアフリカの独裁者なら、ひとりで何兆円も独占する。日本の場合は、何万人かの官僚が、公金の濫用や天下りやらで何億円ずつか、かすめとる。日本には独裁者はいない。いるのは独裁集団よ。吸血鬼はいなくて、ヤブ蚊の群れがいるってことね。

・まじめしか売り物のない人間って、あつかいにこまるのよね。一字まちがうと、みじめになるしさ。

・知らんぷりをよそおっていたほうが、状況の急な変化に対応できる。

・世界は愚行にみちており、正義は愚行をかざりたてるイルミネーションだ。

・何ひとつ創らず、何ひとつ産み出さず、他人に働かせ、苦労と努力をさせて、自分は安楽椅子に腰かけたまま巨大な利益を得る。

・いったんロンダリングされたカネは、ネットのなかを縦横無尽に泳ぎまわって、私の手元にもどってくる。たっぷり肥って。そう、私はカネを養殖しているようなものだ。

・武士のどこがえらいのよ。世襲制の公務員っていうだけじゃないの。何ひとつ生産せずに、いばりかえってただけでしょ。武士道なんか賞賛するやつは、他人に働かせて自分だけ年貢でのうのうと生活するようなやつなんだから。

・愚民どもがほしがっているのは、選択肢なんかじゃない。強力な指導者の、毅然たる命令だ。

・共喰いする深海魚がいて、下水溝のなかで同類を見つけたら、舌なめずりするだろう。

・だいたい自力で生きられない者は、淘汰されるのが自然の法則だ。それを、人間のかぎられた力で、むりやり生かそうとするから、国家財政は破綻するし、税は重くなる。

・何でもかんでも知りゃいいってもんじゃないわよ。あたしにいわせれば、限度を知ることこそ賢者の条件ってことになるんだけど。



魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)

魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)

  • 作者: 田中 芳樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/06/07
  • メディア: 新書



タグ:田中芳樹
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