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『暦物語』 [☆☆]

・聞けば借金というのは、額が一定以上の大きさになると、借主は、別に破れかぶれになるわけでもないのだろうが、借金を返せないことや、借金額が増えることに対して抵抗を覚えなくなっていくそうだ。

・返さなくてもいいものはメールでも返さないというのが僕の主義だ。

・物事を途中でやめることは、始めることより難しいのだ。

・細工を施して、左右が反転せずに映るようにした鏡っていうのもあるんだけれど、それを見たら大抵の人はこう思うらしいわ──「これは自分じゃない」って。

・正当な手段で稼ぐ分には、お金儲けも金目的も批判されるべきことではない。

・何かがはやっているときには、他の何かははやらないということだ。だから、もしも自分の思い通りのものをはやらせたいと思うのならば、ターゲットは選ばずとも、ステージは選ぶことだ。

・もしも「わけのわからないもの」がはやったときは──時代を疑え。己の足場を疑え。何かがヤバいんだと思え──危機的状況なんだと思え。人が仕掛けているにしろ、自然に生じたにしろ──それは、時代がくらやみに包まれているということなのだから。

・あの性格診断のせいで傷ついているB型とかAB型の人って多いと思うだよね。なんとなくだけど、マイノリティのほうが悪口言われがちっていうのは、仕組みとしてわかりやすいよね。

・後悔しても仕方がないことを後悔し。言っても意味のないことを言い続ける。人生とは、そんなやる瀬なさの繰り返しだ。

・今の社会じゃあ道なんてものは、整備されて、修理されて、構築される……、雇用を生み出し経済を回す、一種の装置ですよね。

・歩くための場所でも、走るための場所でもなく──造成すること自体に意味があるのが、道路ですよね。

・何千年、何万年という単位で肉体に刻まれている本能って奴を、たかだか数百年の科学的根拠じゃ、引っ繰り返せないってわけです。真理よりも心理を優先する、それが人間であり、人間社会です。

・京都で戦後って言うと、応仁の乱以降のことをさすらしいですけれどね。

・いわゆる三度の食事に食べるようなメニューより、お菓子作りのほうが難しいと聞くけれど……、お菓子はニュアンスでは作れないというから……、計量やら時間やらで、通常の料理とは比べ物にならないほどの精度を要求されるとか。

・相手が強硬手段に出る前に従うというのは処世術である。強硬手段を防ぐための常套手段。

・知識と知識をリンクできる。それが知識人ということだ。雑学と知識の違いと言ってもいいけれど。

・どんなに名のある名棋士であっても、たとえ相手がルールをロクに解さない子供であっても、駒を一枚も失うことなく将棋に勝つことなんてできない。情の深い指揮官だろうと、どうしたって捨て駒は生まれる──そういう話だよ。

・飛車だって角だって、金将だって銀将だって、時には捨て駒になりうる。捨て駒になりえないのは、王だけだ。





暦物語 (講談社BOX)

暦物語 (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:西尾維新
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