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『悲報伝』 [☆☆]

・軽んじられたんじゃない。懐の広さを示すチャンスをいただいたんだ。

・必要もないのに約束を破るほどには、性格が破たんしてはいない──約束を破るのは、その必要があるときだけだ。

・諦めることはできなくとも、忘れることはできる。

・現実の世界にリセットボタンはないし、死ぬ以外にゲームオーバーを迎える方法もない。

・信頼関係は築けずとも、利害関係が一致していれば、短期間ならば十分にやっていけよう。

・生きるための情報収集は怠らないけれど、それにだって限度はある。変に動いて、知ろうとし過ぎることで目をつけられ、警戒されてしまっても本末転倒だ。

・この場合の「適当」とは、「丁度いい」という意味合いではなく、「いい加減」という意味だ。

・むしろそれが意外だと言うような態度を取る──多くを語らず、その食い違いを不思議がるような。頭がいいのなら、自分で考えてもらおう──知恵を貸してもらおう。

・父親がよく言ってましたよ。哲学と言うのは、口を折るための学問だって……、それで哲学だって。

・間延びしたような、一種聞き取り辛い──聞くほうに「聞こえやすそうに喋ろう」という配慮がまったくない声音で。

・手柄話や自慢話とは、相手が羨ましがってくれるからこそ意味がある。

・勝負に引き分けはあっても、戦争に引き分けなんぞあるわけない。

・科学技術が進歩すれば、その分人間が駄目になるなんて論調があるけれど、その理屈で言えば、科学を上回る技術である魔法なんてものを得ちゃったら、人間はどれだけ駄目になるんだろう。

・言ってもわからない奴には、何回も言うしかないのだ。

・現実とは向き合わず、夢を見たまま──一生夢を見たまま生き続けることは、そう難しいことでもない。なぜなら、人は必ず死ぬのだから。

・引くべきところは引かねばならない。そうでなければ、世の中を生き抜くことなんてできない──だが、同じように、進むべきところを進まねば、やっぱり生きていくことはできない。

・本当に死んでいるかどうか不安で、何度も何度も過剰に殺す。死体を全身、数え切れないほどに滅多刺しにしたり、生き返らないようバラバラにしたりするのと同じ心理だ。





悲報伝 (講談社ノベルス)

悲報伝 (講談社ノベルス)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: 新書



タグ:西尾維新
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