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『つぶさにミルフィーユ』 [☆☆]

・「美味しい!」と言う人を見ないと、美味しく感じない人が増えた。

・多くの問題は多数決によって判断され、少数派は我慢をしなければならないことになる。理不尽だと思われるものも、少数派がそう考えているだけのことで、理不尽だと思わない多数派がいるのである。

・何かというと「上が悪い」と愚痴る人がいるものだが、そういう人は上に立った経験がないし、また、上に立つには能力不足であることは確かである。

・ユーモアは、やはり意図的でなければならない。意図的ゆえに知性が感じられ、計算された理論的な道筋があって初めてくすっと開花するのである。

・「弄する」を使うのは、ほとんど「策を弄する」のときだろう。これは、人によっては、「策を労する」と勘違いしているが、そうではない。策略が面白くて、必要以上にあの手この手を使ってしまう趣味、そこが弄ぶ感満載なのだ。

・面白いところから始め、その面白さが動機となって、もっと知りたい、調べたい、と進む。進む方向がつまりその人にとっての前進であり、その方向は人によってまちまちなのだ。みんなが同じ方向へ進む必要は全然ない。

・野党があれこれ政府を追及しているように見えるものの、そもそも、議員の方々が「お気持ち」を述べているだけで、まったく「お考え」を示されてないように見えるのだ。

・意見によって人物を差別しないこと。意見が違っても、困ったな、くらいで済ませよう。

・「仲間」の多くは利害関係の一致が見せる、一時的な仮の関係にすぎない。

・19世紀は構造、20世紀は材料の時代だった、21世紀はきっと生産システムの時代になる。生産システムとは、「作り方」のことである。

・四六時中つながった友人関係によって、お互いに拘束し合い、同じ視線、同じ反応を強いられている。

・理屈がわからなくて、自分で作ることができなくても、使えるのである。魔法と同じだ。魔法の呪文は、価格に応じて出すお金である。

・世間で見られる多くの失敗というのは、勢いがつき、惰性で進むものを止められない、やめる判断が遅れる、という場合に観察されるものがほとんどだ。

・始める時は一人でもできる。最初は何でも小さいからだ。これが成功すると大きく育つ。人も沢山集まってくるだろう。そうなると、やめたい時に反対する人間が多数になる。



つぶさにミルフィーユ The cream of the notes 6 (講談社文庫)

つぶさにミルフィーユ The cream of the notes 6 (講談社文庫)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 文庫






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