SSブログ

『日中開戦!』 [☆☆]

・「殺すより盗むがよく、盗むより騙すがよい」――より小さな悪を選択するのが政治の基本とするウィンストン・チャーチルの言葉。

・どこの国、どこの世界にもいるが、自分たちの不満のハケ口をどこかに求める人々。しかも、その中にはいったんその不満が爆発すると、誰にもそれを制止できなくなる種類の人種がいる。

・人民解放軍が脅威ではないと考えるのは早計だ。国内外の多くの軍事関係者は「短期戦では自衛隊が圧倒的に有利だが、消耗戦になれば話は別」と口を揃える。

・戦争の初期段階で「制空権」「制海権」を握ることがいかに大切な点かは説明するまでもないが、現代戦の初期段階ではもう一つ極めて重要な要素がある。それは「電磁権(情報ネットワーク)」を把握するということだ。

・サイバー戦争は能力さえあれば個人でも参加可能であり、愛国心を煽りやすい共産主義国家や独裁的国家の方が必然的に有利だという意見も少なくない。事実、中国やロシアには驚異的な数の「サイバー民兵」が存在している。

・日本政府が中国との間に「領土問題が存在する」と認めてしまうと、米政府も尖閣問題を「領土問題」と認識し、フォークランド紛争同様「他国領土不介入」の原則が適用され「軍事不介入」に転じる可能性が高い。

・戦乱・飢餓で人口が激減し衰微しきったところに、近隣の異民族が侵入してくる。それが中国史の特徴である。

・今の中国では観光寺院は大いに儲けるようになったので、僧侶は公務員を越えて最も稼ぎがよく、かつ尊敬される職業となった。

・そもそも「宗教はアヘン」とする共産主義の国で、深い宗教性が涵養されるはずもない。形骸としては残った寺院を、観光資源として金儲けにフルに活用しているのである。

・最後は、人が人を食べるのが常態化した。さすがに自分の子供を食べる親はいないから、親は死んだり昏睡状態に陥った子供をよその家に持って行き、同じような状態のよその子と交換して自分の家に持ち帰り、その子を自宅で解体して食べたという。

・戦争はやるからには絶対に勝たねばならない。もし勝つ見込みがない場合は、意地でも戦争をせずにすむ落としどころを作るしかない。

・「MI6」は「Military Intelligence section 6 (軍事情報部6課)」の略で、もともとはイギリス陸軍が「SIS」と連絡を取るために設置していた窓口が「MI6」だったのだが、いつしか「SIS」の略称として定着したものだ。

・反共図書の普及を狙って英作家ジョージ・オーウェルの「1984年」「動物農場」をか国に広める活動も政府主導で行なっている。


日中開戦!〈上〉

日中開戦!〈上〉

  • 作者: 浅井 隆
  • 出版社/メーカー: 第二海援隊
  • 発売日: 2012/11
  • メディア: 単行本




・人間が歴史から学んだことは、歴史から何も学んでいないということだ。

・日本の製造業は「最終製品(完成品)」における競争力は確かに失いつつあるが、「中核部品供給国」としての地位は揺らいでいない。

・諜報活動全体の八~九割をパッシブ諜報が占めていると言われている。なぜかというと、大抵の国家では情報公開の原則によって機密以外の大方の情報は公開されているため、合法的に情報収集できてしまうのだ。

・メディアなどで得られるのはあくまで「インフォメーション(情報資料)」である。単なる情報だけでは意思決定の際に役に立たないため、諜報員はインフォメーションを「インテリジェンス(分析情報)」にしなくてはならない。

・力の空白や隙間に付け込むというのは、古今東西、軍事侵攻の鉄則である。

・「国のために戦うのは嫌だが、国は国民の暮らしに責任を持って欲しい」――今の日本人の多くは、こういう意識を持っているのである。

・ベトナム戦争を巡って反米運動は展開しても、彼らが信奉する「平和憲法」を米国に普及させようとは誰もしなかった。

・敵がいると思えば、相手の意図や目的を考え、それに対処しようとする。つまり、戦略・戦術が出てくる。それが認識されていないと、戦略・戦術は出てこない。

・敵も戦略もないとどうなるか。本来の敵ではない敵を国内に見つけ出して叩くようになる。

・「政策」や「計画」という言葉に代わって「戦略」という言葉がやけに経済方面に用いられるようになってきた。

・政策ならわかる。しかし、戦略という言葉は、敵や手強い相手方の存在があり、それに勝つための作戦計画を意味するはずである。しかし、「日本再生戦略」に書かれている内容には、敵がいないのである。ほとんど内向きの話ばかり。

・どこまで行っても敵はいない世界に生き続ける我が国においては、本当の戦略は出てこないのである。


日中開戦!〈下〉

日中開戦!〈下〉

  • 作者: 浅井 隆
  • 出版社/メーカー: 第二海援隊
  • 発売日: 2012/12
  • メディア: 単行本



タグ:浅井隆
nice!(0) 
共通テーマ:

nice! 0