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『サブカル勃興史 すべては1970年代に始まった』 [☆☆]

・子供の頃のテレビの話は、同学年以外とは、「話が通じない」ことが多い。10歳前後までの幼少年期の2歳の年齢差は「世代が違う」。見ているものは同じでも、感じ方は異なる。

・「変身もの」「石ノ森ヒーロー」「東映ヒーロー」については、傍観者でしかない。ただ、「傍観」であって「無視」していたわけではない。

・この頃は雑誌連載の作品がほぼすべて自動的に同じ版元でコミックス化されることはなかった。つまり、「雑誌は赤字でも単行本で利益を出す」というビジネスモデルはまだ存在せず、雑誌だけで利益を出していたのだ。

・別の番組にするのではなく、コンセプトを維持しつつ新たなキャラクターを生み出すという発想をしたことで、「仮面ライダー」はシリーズ化に成功し、長寿化できたのだ。

・教員を徹底的にからかい、どうしようもない人間として描いた「ハレンチ学園」は、教員たちの逆鱗に触れた。このマンガが学校と教員の本性を暴き、からかったことが、気に入らなかったのだ。

・編集部は、人気作家の連載を取るには「描きたいものを描いてくれ」と頼むのが一番効果的だと知っていたのだろう。好きなように描かせた結果、ひとりよがりの作品となり、人気が出ないケースもあるが、大化けする可能性があった。

・なんと、人気絶頂のテレビアニメ「マジンガーZ」を打ち切るというのだ。超合金マジンガーZの売れ行きが鈍ったので、新しい番組にして、新しいロボットを考えてくれという。

・彼女たちの作風も、ストーリーも画もさまざまで、共通するものは、「それまでと違う」という点くらいだ。

・通俗だから多くの読者を得ているのだが、評論家やマニアは、「面白いもの」を蔑視する傾向があり、24年組を高く評価したい時、池田理代子は除外する。

・「アトム」が描く未来と、「ヤマト」が描く未来とは、雰囲気が異なっていた。明と暗の違いというより、空想的か科学的かという違いだろうか。

・テレビでは5パーセントでは失敗だが、1億人に対する5パーセントの500万人が映画館へ詰めかければ、空前の大ヒットとなる。どちらに向けて作るかだ。

・複数の企業、大勢の人間が関わるプロジェクトには、関係者の証言の食い違いはつきものだ。

・アニメに限らず、どんな映画でも同じで、第一作がヒットしてから、第二弾、第三弾が実現する。大ヒットすれば、監督が作りたくなくても、映画会社から作ってくれとの依頼がくる。

・1980年代はビデオがあるだけで、それも1本2万円前後と高価だった。ノベライズやコミカライズが必要とされたのは、安価に映画の物語を再確認するためだった。



サブカル勃興史 すべては1970年代に始まった (角川新書)

サブカル勃興史 すべては1970年代に始まった (角川新書)

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/11/10
  • メディア: Kindle版



タグ:中川右介
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