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『たちどまって考える』 [☆☆]

・責任が持てるということは、自分の決断に自信が持てるまで、念入りに考えるということです。そこまでの熟考に達していれば、反対意見を言われたとしても、確信をもって反論することができます。

・日本の場合、形で見える崩壊でなければ史実として残らない。戦争や震災の災禍は明確な形で見えますが、疫病のような目に見えないものは言葉として残らない性質が、日本の歴史にはある。

・人間にとって最終的に頼りになるのは、自分自身以外にありません。だからこそ自らを見据え、鍛え、「頼りがいのある自分」を私たちはつくっていかなければならない。

・猫でも犬でもカブトムシでも、動物の飼育をするときにその動物の習性を知っておいた方がいいように、私たちは人というものの習性をもっと知っておいた方がいいですね。

・デジタルから得られた情報をどんなに頭に詰め込んでも、アナログでうまく機転を利かせてそれらを使いこなせねければ行き詰ってしまう。

・人は苦境に陥るほどスポーツや音楽といった、言語化せずに楽しめるエンターテインメントや、脳を使わなくても慰めてくれるものを求める。

・紀行番組もコマーシャルの世界も、発信する側が高い水準のものを提供することで、受け手側の一般の人もそれについていこうと頑張っていたところが、かつての日本にはあったように思います。

・民主主義は、私たち日本人の祖先がまだ縄文人だった頃からヨーロッパでは始められていたものです。

・自分が思い込んでいた情報から逸脱した行動をその人が取った場合、「違う。あなたはそういう人じゃない。そういう態度はあなたらしくない」と認めようとしない。

・自らを観察するもう一人の自分の感覚を持つ。そうすると、自らの言動を客観的に、冷静に見ることができる。そして生まれた冷静な自分は、意外と頼り甲斐があったりするのです。



たちどまって考える (中公新書ラクレ (699))

たちどまって考える (中公新書ラクレ (699))

  • 作者: ヤマザキマリ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/09/08
  • メディア: 新書



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