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『みにろま君とサバイバル』 [☆☆]

・自分がいなくなるということは、つまり自分の周りにいた人から見たり聞いたりしたことを、他の人に伝えることができなくなるということです。

・自分で勉強していない人間というのは、平らでダメな奴とレッテルを貼られてしまいます。

・ところがその批判は、普段海外で目にしているものや、接触している人々が、その社会のトップ10%以内に入るぐらいの階層の話です。それを基準として日本のありとあらゆるものを批判したら、粗が目立つのは当たり前です。

・美術館や博物館など、公共の場で大騒ぎする子供も多く、日本の子供であれば幼稚園児でも静かにするとわかっている場所でも、北米や欧州の場合は、ある程度大きくなっている子供でも大騒ぎです。

・教員というのは、賃金が決して高い職業ではありませんから、「高い給料をもらえない人々」と言って見下す親や子供がたくさんいるのです。

・全く料理をしない親というのも少なくないので、イギリスではスーパーに巨大な冷凍食品のコーナーがあり、また「アイスランド」という、主に冷凍食品だけを取り扱うスーパーが人気です。

・幼児向けのお話である「おしりたんてい」一つをとっても、実はこれだけたくさんの「暗黙知」「前提条件」が含まれていて、日本人は幼児であっても、それらを自動的に理解してお話を楽しんでいるわけです。実は「お話を理解する」というのは、すごく知的な活動で、前提条件の蓄積が必要だ、ということですね。

・学校でやるような簡単な健康診断の項目でも、実は他の先進国だと自分でお金を払ってやるほかなく、その費用は5万~10万円かかるようなメニューなのです。

・日本では大学の研究を軍事的な目的に使うべきではないということを言い張っている人々がいますが、他の国では大学の研究というのは完全に軍事的な目的とリンクしており、ウイルス研究もそのひとつなのであります。

・日本の子供の場合は、海外の基準では大変引っ込み思案でおとなしすぎるために、自閉症傾向があるのではないかということを疑われてしまうことがあります。

・日本の大学受験の共通テストで満点を取れないレベルの人というのは、イギリスの進学校の9歳から10歳の子供よりも英語力がないということになります。

・政治経済の場合は、そもそも日本の教科書や基礎知識の多くは英語圏のものを翻訳したものですから、最初から英語で学んでしまった方が早いです。

・リーダーになる人や事業を回していく人に必要な能力は、相手を説得することであるということです。単に人から与えられた知識を暗記して、それを再生するという能力が高く評価されるわけではないのです。

・アウトプット重視のやり方というのは、要するに、知能レベルが高く、好奇心もあって、自分で調べたり勉強したりする気力がある子供に向いているということです。しかしそれは大半の人に当てはまることではありません。

・IT業界のプログラマーの多くはインド人や東欧の人々などです。イギリス人は数学の教育レベルが低いために、良いソフトウェアが設計できないのです。

・自己肯定感というのは要するに、「私は素晴らしい」と言いはることです。

・日本人が弱いことの一つに、得られる利益や効果を考えずに無駄な努力をせっせとしてしまう、というものがあります。

・真の国際人というのは、単に外国のものを真に受けて取り入れるのではなく、自分というものを作り上げた土地の歴史や文化をしっかりと理解して身に付けている人のことを言います。

・人間社会のものごとの多くは、人の感情で成り立っています。感情を揺さぶることができるビジネスや政策、創作物、文章というのは、人間を動かすことができるのです。

・よく、北米や欧州の教育レベルが高い人々は、マナーが良いということが言われますね。ですが、これは単に、他人と自分とは考え方も行動様式も違うから、なるべく丁寧に接して問題が起こらないようにしようという考え方があるからに過ぎません。倫理的な理由で丁寧にしているわけではないのです。



みにろま君とサバイバル 世界の子どもと教育の実態を日本人は何も知らない

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  • 作者: 谷本 真由美
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/07/15
  • メディア: 単行本



みにろま君とサバイバル 世界の子どもと教育の実態を日本人は何も知らない (集英社学芸単行本)

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  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/08/05
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