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『書物狩人 ル・シャスール』 [☆]

・一説によれば、新聞一部あたりの文字数は、広告なども含めて、およそ新書二、三冊ぶんに相当するという。

・もっぱら新古書(セカンドハンド・ブックス)を売っているような二流はいざしらず、価値のある古書籍(アンティクェリアン)を扱う、ひとかどの店ならば、どこの国でも、たいていは、「国際古書籍商連盟」、略称ILABに所属している。

・明日の混乱を思いわずらうよりは、今日の破局を避ける。

・最後に笑うものが、もっとも大きく笑う。

・ひとの手を経てきた本のページには、さまざまな品が残されていることが多い。新聞の切り抜き、チケットの半券……ときには、現金や株券が見つかる場合もある。書物は、ある意味、思いがけない宝の鉱脈なのだ。

・不当に奪ったものは、不当に奪われてもしかたがない。それが、世の摂理というものです。

・残っているものよりも亡くなってしまった部分が大きい本を、古書の世界では「零本」という。

・秘密を知るものが増えるのは、好ましいことではない。なれど、断片的なことだけを見聞して、生殺しに放っておかれたのでは、かえって軽挙妄動するやもしれぬ……よかろう。お嬢さんたちにも聞かせてやりましょう。



書物狩人 (講談社ノベルス)

書物狩人 (講談社ノベルス)

  • 作者: 赤城 毅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/04/06
  • メディア: 新書



タグ:赤城毅
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