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『金持ちいじめは国を滅ぼす』 [☆☆]

・買えば上がる、上がるから買うとなれば待っているのはバブルである。

・賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ。

・労働集約性の高い産業などは人件費の安い旧東側諸国へと次々に流れていくのは自明の理。

・土地は増えないという前提のもとで、日本の生産性が向上し続けていた時代には、地価は上がり続けるという土地神話が生まれて何の不思議でもなかったろう。だが、日本企業の海外進出が盛んになったり、海外の製品や農産物が日本に輸入されるようになってくると、不動産に対する考え方も大きく改めなければいけない。

・これから日本の子供たちが競争するであろう相手は、国内の子供たちばかりではなく、お隣りの中国やアジア諸国の貧困の中でもたくましく行き抜いてきた世界中の子供たちになる。

・自らは選挙にも行かずに権利ばかりを主張し、政治家の悪口を言う一方で、自分たちの利害にこだわって政治家に何でも頼むという政治家頼みの国民が政治を歪めてしまったのだ。

・政治家が自分たちで改革を起こすなどということは、まずありえない話だろう。そういう夢にすがって、いつかは変えてくれるだろうという姿勢は、まさに甘え以外の何ものでもない。

・いまや日本人は考えることすら止め、何も考えないことによる極めて短絡的な犯罪が多いような気がする。

・とかく日本の役人や政治家には「起きてほしくないことは起きない」とする考え方が染みついているためか、「起きないはずのことが起きた時にはどうする」という発想が欠けている。

・もはや額に汗して機械の代わりになるような労働力が主体になる経済など、日本では絶対にありえない。額に汗ではなく、頭に汗することこそ豊かな時代の発想なのである。

・今日もフリーターができるのも、今日もニートができるのも、豊かな親のおかげです、豊かな日本のおかげです。

・フリーターやニートがことさらクローズアップされるのは、単に働けば報われた高度経済成長時代の残影を追っているからにすぎない。

・日本語では結論は終わりにくることが多い。そのためには人の話を終わりまで聞くのがまず礼儀というものだ。

・小選挙区制のおかげで、国会議員はいまや国とは名ばかりの市会議員並みの発想しかしていないようだし、議員を支える選挙民にしても自分たちの地域のことをしてくれる政治しか求めていない。

・「金持ち優遇はけしからん、優遇すべきは貧乏人だ」と言いたいのだろうが、貧乏人ばかりの国になったら、誰が貧乏人の面倒を見るのか。貧乏人に税金など払えるはずもあるまいし。

・日本にはいま1億円以上の金融資産を持つ人が141万人、つまり100人に1人はいるのだそうだ。この人数はアジアではダントツの1位だが、1人当たりの平均となると下から2番目で、下にはインドネシアしかいないとか。

・日本人は学ぶことにはやたら熱心だが、その一方で考えることは止めた民族になった。

・基本的な教養が欠如しているから、民主党代表代行の菅直人が、ろくな知識も覚悟もないまま、ただ大衆受けを狙って「証券税制など20%でも30%でも、どんどん取ればいい。投資家は金持ちなんだから」といった無責任な発言を、テレビで堂々と言ってみたりという偉大な勘違い発言が出てくる。

・テレビの俗悪番組を批判する声はよく聞く。とくに企業のトップに近いほど不快感を持っているようだが、その企業がその俗悪番組のスポンサーになっているのだから、これなどまさに漫画である。

・ちょっとした変化が起きると、ことの本質に目を向けるよりも、大衆受けするそのことに関わる枝葉末節的なことの方をマスコミは取り上げ、騒ぎを大きくする。

・資源のほとんどを海外に頼り、食料すら自給自足できない国の通貨が弱くなれば、納豆などでダイエットしている場合ではないことぐらい見当がつくはず。

・外国や世間の圧力で仏様だけは作るものの、魂は抜くという日本特有の役所の考え方。

・「金持ち優遇はけしからん」と言っている連中に限って、金持ちになろうとする努力もしていない。

・嫉妬とねたみだけは一人前だから始末が悪い。

・いま市中に出回っているキャッシュは73兆円ほど。その中でまだ旧札がいくら残っているのかご存知だろうか? まだ約26兆円もの一万円札が旧札のまま市中に残っているそうだ。3分の1強である。この26兆円は使われずにどこかに仕舞い込まれているのだろう。どうやら理由は相続税らしい。

・賃金が日本の20分の1、30分の1という安い労働力で生産できるような製品を作る工場が海外に移っていけば、国内でも同種の賃金が低下を余儀なくされるのは道理だろう。

・自ら考えることなく人が成功したことを見届けてから動くので、いつも後追いとなって天井掴みとなる。

・一生を月給だけで暮らすとすれば、ある程度自分の生涯賃金も読めてしまうから、人生の幅というものもだいたい読めてしまう。

・いつもながら日本の政府や役人のやることは「仏作って魂入れず」で、掛け声だけで終わってしまう。年金などその好例だし、介護の制度もひどいものだ。

・世界を代表するような一流ブランド店が日本の一等地に存在しているという、そのことが上海を始め北京や香港などの女性の気持ちをくすぐり、高級ブランドのステータスを高めている。日本というブランドがブランド品の質をさらに高めるというわけである。



金持ちいじめは国を滅ぼす (講談社+α新書)

金持ちいじめは国を滅ぼす (講談社+α新書)

  • 作者: 三原 淳雄
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/08/23
  • メディア: 新書



タグ:三原淳雄
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