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『アメリカ病』 [☆☆]

・毎年約三万人が銃で命を奪われているという「内乱状態」に何の疑問も持たず「銃がなければ自由も民主主義も身の安全も守れない」と主張する人たち。

・どんな状況にも最悪の事態を想定して備えた方がさまざまな不安や問題にうまく対処でき、仕事などでも良い結果を残せる。

・米国では高カロリーで栄養価の低い食品を総じてジャンクフードと呼ぶ。

・(ジャンクフードに多く含まれる)糖分を摂りすぎてビタミン類を摂らないと、脳の働きが鈍くなる。

・ファーストフード店の食材費の割合は、労賃、包装費、宣伝広告費などからみると比較的少ないので、量を多くして売上げ増加をはかった方がビジネス効率はよい。

・無理なダイエットでカロリー摂取量を急激に減らそうとすると、体は異常事態と判断して新陳代謝機能を低下させ、エネルギー消費を低くおさえようとするため、自分が思っていたほど体重は減らない。それでダイエットに挫折して元の食生活に戻すと、以前よりもっと太ってしまう。ダイエットで新陳代謝が低下しているため、カロリーがあまってそれが脂肪となるからだ。

・禁煙運動をやっている人たちがつねに正義の味方などと思ったら、大間違いである。なかには人々の健康を促進するためというより、お金のためにやっている「たかり屋」のような者も少なくない。

・多くの非営利団体が禁煙運動を始めたり、強化したりしたのは健康促進のためというより、お金のためです。たとえば、米国がん学会、米国心臓協会、米国肺協会は政府から莫大な補助金を受け、禁煙運動を強化しました。そして、黒人運動団体なども禁煙運動を始めるようになったのです。

・米国には、バブームス、ブーブス、グレープフルーツ、ノッカーズ、ヘッドライツなど大きな乳房を意味する俗語が山ほどあるのだ。

・美容外科医にとってもう一つ心得ておかなければならないのは、たとえ手術がうまくいっても患者が満足しなかったら、それは失敗に等しいということだ。

・美容外科はサイエンス(科学)であり、アート(芸術)でもあるんです。だから、すべての手術を成功させるというのは神業に近い。

・ボトックスは何度も打つと、その部分の筋肉がまひしてシワも目立たなくなるというが、言い替えればそれは筋肉を不能にするということ。

・女性にとって理想的なペニスとは、(1)ぴったり合う、(2)武器としてではなく技として使う、(3)持ち主が優しく親切である、(4)お互いに満足を得られる、ということだという。

・中絶反対運動のリーダーたちは、「中絶は殺人だ」という原則論を信じる者たちに「そう思うなら、行動で示してみろ」と言ってけしかける。こうして彼らは自身は銃を取らなくても、信者たちが代わりにやってくれるというわけだ。

・中絶を禁止することで何が変わるのかといえば、女性の健康と生命が危険にさらされるようになるだけだろう。「中絶は殺人だ」という原則に支配され、中絶クリニックを襲撃している人たちは、危険なヤミ手術で毎年何千人もの女性が死亡していた時代に米国を後戻りさせようとしているのである。

・「視覚的にチャレンジされている人(optically challenged)」、「経済的にはじきだされた人(economically marginalized)」、これらが何のことだかおわかりだろうか。正解は、前が視覚障害者、後者が貧乏な人を表す言葉である。

・刑を終えた十代から二十代の凶悪犯罪者がひんぱんに出てくるが、彼らからはきまって「幼少時代の環境が悪かった」というような言い訳が繰り返される。

・人を殺したら、たとえどんな理由があろうと殺人者であり、そう呼べばいいのです。

・テレビ番組を殺すのに刃物はいらない、スポンサーがいなくなればそれで終わりなのだ。

・あからさまな差別的表現や態度が表に出なくなった分だけ、人種差別は巧妙化した。

・銃は体力ではなく、テクニックと集中力で撃つものだ。

・彼らは憲法修正第二条の「国民の武装する権利」を強硬に主張するが、第一条で保障された「言論の自由」を行使するメディア関係者にはあまり寛容ではない。

・銃が簡単に手に入る社会で最も恐いのは、普通の人たちの怒りや憎しみが身近にある銃と結びついた時である。

・国民の健康と死亡率を決定するのは、その国の豊かさではなく、富がどれだけ平等に分配されているかだ。



アメリカ病 (新潮新書)

アメリカ病 (新潮新書)

  • 作者: 矢部 武
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 新書



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