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『背表紙は歌う』 [☆☆]

・相手は仕事上のパートナーだ。社会人としても、傍若無人になれないのが当たり前。なれる方がおかしい。

・やがて返本。取次に返され、倉庫に眠る。最終的には断裁して廃棄処分。おまえらのやってるのは資源の無駄使いなんだよと、辛辣な言葉が聞こえてきそうだ。

・デビルくんのこと面白がっていません? 四川料理はやっぱり辛くて旨いな、っていう雰囲気で。

・デビルくんの辞書には愛社精神って言葉はないような気がするな。

・ネットの普及やら広告収入の減少やら、出版業界はまわりの変化についていけず立ち往生している。

・どんどん入荷し、どんどん返本する。これをひたすら続ける毎日。どんな本だろう、どんな人が買うのだろう、そこに心を傾ける時間はもうない。

・「為書き」とは「誰それさんへ」という添え書きのこと。

・通常新人にはデビューさせてくれた出版社から三冊出す、という暗黙のルールが課せられる。

・ひどい目にあってる人とそうでない人は、すっごく温度差があるの。懐かしいなんて、冗談じゃない。

・彼にはちょっとした楽しい再会でも、彼女には暗黒の過去が噴き出しかねない。

・こちらの本音を伏せつつ相手の情報を引き出すなんて、そりゃむずかしいよ。

・どうせ起きるトラブルなら、早く起こしてそっちがかぶれ。

・譲りたくないもの、守りたいものがあるって、すごいことだよ。たとえ小さくても、心に決めたものをぎゅっと握りしめ、君には君の道を進んでほしい。

・倒産した出版社の本が未だに現役で活躍している。それだけ。でも「それだけ」をやってのける人はほとんどいない。

・やりそうなやつが、やりたそうなことを言ったら、やるって思うだろう、ふつうは。

・気にしている人に向かって気にするなと言ってもなんの解決にもならない。気にしている方が悪いと責めるに等しい。

・読者に向けてのわかりやすいメッセージがほしい。社内の人間ではどんな言葉も内輪誉めと受け取られかねない。公平な意見を言う人の感想が大きな説得力を持つ。それは誰かとなれば、今どきは書店員さん。

・君は楽しみにする側でなく、される側にまわらなくっちゃ。

・たくさんあってもまだ新しい物を求める。飽くなき探求心と言ってほしい。



背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)

背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/09/11
  • メディア: 単行本



タグ:大崎梢
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