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『動機未ダ不明 完全犯罪研究部』 [☆☆]

・紙を切るナイフで人を殺そうなんて考えが甘いよ坊や。

・肉じゃがに玉ねぎのひとかけらでも入ってたら小猫はそれでゲームオーバー。玉ねぎ中毒ってアホみたいな病名で死ぬんだよ。

・君の殺意など誰が本気にするもんか。殺すなんて言葉は幼稚園児にだって言える。教えればオウムにだって言えるさ。

・得体の知れない「世間体」とかいうものに追い詰められ、自分自身を見失った平凡な女。

・少々の悪口でヘコむような連中ではない──そういうものに左右されるのは孤独で気の弱い繊細な少年少女で、図太すぎるくらい図太い面子が群れをなしていれば悪口はむしろ勲章になる。海賊にかかる懸賞金のようなものだ。

・字さえ書けりゃ何かの仕事はあるってのがオヤジの口癖だった。パソコン印刷が当たり前になっても、手書きじゃなきゃ動かないことは必ずあるって。

・資本主義社会では善意だけで人間を救うことはできない。

・別段何も知らないくせに、証拠が揃ってないとか推理が完璧でないとか偉そうに勿体ぶって話を引き伸ばす。後になって最初からわかっていた、と言えば全てが解決する。

・悪事を働いておいて何もなかったで済むと思っている方が悪い。

・残念ながら本当のことを言う奴は嫌われるんだよ。理性的な人間は損をしやすいのさ。

・積ん読は文化です! 買ったものの読まない本が一山できて一人前。

・道具は問題じゃないよ。ナイフなんかいらない。糊でも水でも人は殺せる。必要なのは選択する意志だけさ。

・犬一匹どうこうしたところで大した騒ぎにはならない。所詮は器物破損。

・ドライアイスは冷たいが、固体なので何かと融通が利かない。そこで細かくして液体と混ぜ合わせ、ペースト状の「寒剤」にする。水ではいけない。水の融点は零度でそれより下がらないのでマイナス78度を生かすことができない。アルコールかアセトンを使うのが一般的だが、現在最も入手しやすいのは消毒用エタノールだ。

・個人には人生の一大事である。──逆に言えば他人にはとことんどうでもいい。

・いじめに遭うということ自体が同情されていない証拠なんだ。客観的に流石にひどい、可哀相だということになれば誰かしら何かしら助けてくれるものだけど、見た者がそれくらい何だ自力でどうにか我慢しろ、と思うとこからいじめは始まる。助けを求めて他人にはねつけられるのが本当のいじめなのさ。

・正義の味方は淫売だ。誰にでも脚を開く。しかしいくら笑って話しかけたって貧乏人のものにはならない。思い通りにしたければ実弾を見せなければね。

・大人を殺すには「泥酔させて階段から突き落とす」のが一番だ。転落死は最も証拠が残らない。

・似た者同士は殺し合うのが生物の宿命──。

・情報さえ封じれば事実が消えてなくなるという考え方にそもそも異論を唱えたいね。

・疫神・病魔は陰の気だから男の陽の気に引かれやすい。医学技術が発達するまで男児の死亡率は女児に比べて高かった。だから男の子に女の子の服を着せて女として育て、病魔や魔物から守る──日本古来の由緒ある呪術だよ。

・あの女、気が強くて見た目が怖いだけで兵士としては致命的な欠点がある。──目立ちたがりだ。的にしてくれって言ってるようなもんだ。

・保険金目当てに家族殺す奴はざらにいるけど、最近は臓器目当てに殺す時代になったって。

・親の愛は無限でも平等でもない。ツバメの巣の中に一匹だけ発育の悪いのがいたとしても、焦るのは人間だけだ。ツバメは焦らない。育たないものは仕方がないのが動物の発想だ。



動機未ダ不明 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)

動機未ダ不明 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)

  • 作者: 汀 こるもの
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/11/03
  • メディア: 新書



タグ:汀こるもの
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